フィンランド航空は、2019年12月16日より新千歳空港からフィンランドの首都ヘルシンキを結ぶ航空便を就航しました。新千歳空港にとって17年ぶりに欧州路線が復活することから、欧州と北海道の架け橋になることに期待できます。また、2020年1月10日より同便を利用して北海道産品を空輸する実験も合わせて開始しました。
フィンランド航空が新千歳-ヘルシンキ線を就航!
フィンランド航空は、2019年12月16日より新千歳空港とフィンランドの首都ヘルシンキを結ぶ航空便を新たに就航しました。
フィンランド航空の新千歳空港への就航については、2019年1月15日に詳しく記載していますが、新千歳とヘルシンキ間は週2往復の運行となり、就航の契約期間は2019年12月16日から2020年3月27日までとなっており、今後の就航については旅客の動向を見ながら決定していくとしています。
新千歳空港は、これまで中国や韓国など東アジア中心の航空路線が多いですが、訪日外国人観光客の呼び込みなど新たな地域経済への活性化を見出す中で、発着枠の拡大と合わせて、欧州路線など開拓余地が高い路線の就航を呼び込む他、2019年1月22日に記載した通り、道民のパスポート取得を促し、アウトバウンド(出国客)の開拓を増やすことで、互いの交流を深め、地域の経済活性化につなげていく狙いがありそうです。
2019年12月16日就航時はヘルシンキから約190人が搭乗
2019年12月16日にフィンランド航空が新千歳空港へ就航した初の乗客数は約190人となりました。就航時は、国際線到着ロビーで北海道庁と北海道運輸局が横断幕で出迎え歓迎の意を示しました。
フィンランドのペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使は「北海道と新陸を深める取り組みをしてきた、新たな歴史の1ページの幕開けだ」と述べています。また、浦本副知事は「これまでの誘致活動の成果が表れた」としています。
フィンランド航空は、ハブ空港(就航中心拠点となる空港)をヘルシンキ国際空港としており、欧州各都市とアジア各都市への距離が近いことから、欧州とアジアのパイプ役としての機能を強化しています。また、道は東アジアだけではなく、欧州からの観光客の呼び込み余地が高い状況であることから、欧州からの観光客の呼び込みを強化しています。
欧州からははウダースノーによるスキーが人気が高いことや、呼び込みの成果もあり、2018年度は欧州からの宿泊客も25%程度増えているとしており、新たな観光需要の拡大に期待できる他、人々の交流拡大にも期待したいところです。
道産品の空輸実験で、人の交流の他、物の交流拡大も期待
2019年12月16日に就航したフィンランド航空のヘルシンキ線を利用して、道産品を空輸する実験も2020年1月10日より始めています。
道産品には、北海道米である「ななつぼし」の他、日本酒、ワイン、ホタテなどを欧州に空輸します。ヘルシンキから新千歳へは、ノルウェー産の鮭などを空輸しますが、道からの空輸についても、貨物需要を取り込む他、コストなどの課題を検証していくとしています。
欧州においても、道産品の消費需要が増えるとなれば、同経済にとっても良い影響につながります。今回の就航で、観光客の呼び込みで人々の交流に加え、欧州から訪れる観光客に道産品に宣伝など、帰国後も継続的に消費につなげていけるよう需要開拓し、物の交流の拡大にも期待したいところです。