日本銀行(日銀)札幌支店は2019年12月度の企業短期経済観測調査(短観)の調査結果を13日に発表しました。今期の業況判断指数(DI)はプラス8ポイントとなり、9月度に比べ4ポイント減少となりました。景況感は3期ぶりの悪化となり、米中貿易摩擦など海外の景気状況の影響が道内の製造業などに波及した形となりました。
景況判断指数(DI)はプラス8ポイント
日銀札幌支店が2019年12月13日に発表した2019年12月度の企業短期経済観測調査(短観)において、景況判断指数(DI)はプラス8ポイントとなりました。
2019年10月1日に記載した2019年9月度の調査においては、プラス12ポイントでありましたが、今回の調査で4ポイント減少したことで、景況感は3期ぶりに悪化することとなります。
今回の調査は、道内企業462社に対して2019年11月13日から12月12日までの期間に調査を依頼し、回答者数は459社で、製造業が112社、非製造業が347社となり、回答率としては99.4%となりました。
景況判断指数(DI)は、景況感が良いと回答した数の割合から悪いと回答した割合を指し引いて算出し、数値が高くなればなるほど景況感は良い状況であると判断できます。
道内製造業全体に景況判断指数(DI)はプラス4ポイント
道内の製造業のみを対象に見てみると、景況判断指数(DI)はプラス4ポイントとなりました。前回の9月の調査においては6ポイントでありましたが、今期で2ポイント減少したことになります。
製造業は元々景気の動向に左右されやすい業種でもありますので、米中貿易摩擦など海外情勢が宜しくない中、前回も僅か6ポイントにとどまっていましたが、今期は特に電気機械と輸送用機械において、大きな悪化が見られました。
電気機械は前回の9月においては0ポイントでありましたが、今期でマイナス14ポイントとなりました。輸送用機械は前回は11ポイントでありましたが、今期は0ポイントとなりました。
貿易交渉の行方が不透明な中、受注が減少するなど影響が道内製造業にも表れてきていることが伺えます。
非製造業の景況判断指数(DI)はプラス9ポイント
非製造業の景況判断指数(DI)は、プラス9ポイントとなり、前回の9月度に比べ4ポイント減少となりました。
特に、情報通信業において減少が目立っており、前期は5ポイントだったのが、今期でマイナス5ポイントとなり、10ポイント減少となりました。
また、マイナスとはなっていないものの、建設や不動産、卸売、体事業所サービスなどにおいても変化幅が前期に比べ減少しており、人手不足の他、資材価格の高騰などが、景況感に影響を及ぼしたことが伺えます。
雇用人員判断指数(DI)は僅かながらに改善
2019年12月度の雇用人員判断指数(DI)は、道内の全産業においてマイナス42ポイントとなりました。製造業はマイナス30ポイント、非製造業はマイナス47ポイントとなり、依然として人手不足が深刻な状況であることが伺えます。
一方で、わずかではありますが、前期と比べ製造業を中心に改善し、製造業が前期に比べ3ポイント改善したことで、全産業も1ポイント改善となりました。