JR北海道は、2019年10月より行われる消費税増税に合わせて検討していた鉄道運賃の値上げ額を正式に公開しました。合わせて、国土交通省に対して、運賃値上げの認可申請を行っています。
国土交通省から認可が降りれば、予定通り2019年10月から値上げが実施されることになります。今回は、JR北海道の主要区間の値上げ額を見ていきます。
初乗り運賃は170円から200円値上げ、平均値上げ率15.7%
今回の運賃の値上げでは初乗りが170円から200円へ値上げとなり、平均値上げ率としては15.7%となります。距離が100キロメートルまでの区間において数キロごとに小刻みに値上げ率を設定しており、駅間の距離が短い都市部において、乗客が支払う運賃の負担額が大きくなりそうです。
値上げの理由については、2019年3月26日の記事においても記載していますが、JR北海道は2018年度の最終損益が209億円を計上しており経営が厳しい状況が続いています。鉄道事業を継続して行うためにも、不動産など鉄道に付随する事業の拡大を行う他、今回の値上げを実施することで、2019年度の最終損益を1億円まで減らすことを目標としています。
在来線普通運賃では札幌駅から千歳駅が130円の値上げ
新千歳空港駅(筆者撮影)
在来線普通運賃の値上げを見てみると、札幌駅から利用者が多い駅ピックアップしてみたところ、以下の通りとなり、その中でも札幌駅から千歳駅の運賃が130円値上げされ970円となります。同区間は値上げ幅が一番大きくなっています。
札幌駅から新千歳空港間については、空港バスなど競合も多いことや空港アクセスの設備投資に要した投資費用の回収率が85%と好調であることから、加算運賃を20円引き下げて通常運賃の値上げ幅を差し引き80円の値上げとなります。
札幌~琴似:210円→250円(+40円)
札幌~小樽:640円→750円(+110円)
札幌~白石:210円→250円(+40円)
札幌~新札幌:260円→340円(+80円)
札幌~北広島:450円→540円(+90円)
札幌~千歳:840円→970円(+130円)
札幌~新千歳空港:1070円→1150円(+80円)
特急列車と北海道新幹線の運賃も改定
北海道新幹線に使われるE5系(筆者撮影)
鉄道運賃の値上げは在来線だけではなく、特急列車や北海道新幹線の運賃にも及びます。特急列車の指定席特急券の運指は50キロまでが現行運賃に対して20円プラス、100キロまでが30円プラス、200キロから300キロまでは50円プラス、400キロから600キロまでが60円プラスとなります。自由席特急券については、指定席特急券の値上げ運賃に対して10円差し引いた金額が値上げ運賃となります。
主要区間の普通運賃と特急列車の指定席特急券をあわせた金額の値上げ幅は以下の通りです。
札幌~函館:8,830円→9,440円(+610円)
札幌~帯広:7,220円→7,790円(+570円)
札幌~釧路:9,370円→9,990円(+620円)
札幌~旭川:4,810円→5,220円(+410円
札幌~稚内:10,450円→11,090円(+640円)
北海道新幹線については、通常期における指定席特急券料金が函館北斗から新青森までの運賃が現行4,450円から4,530円と80円の値上げとなり、普通運賃と合わせると、7,260円から7,720円と460円の値上げとなります。
詳しい値上げ額についてはJR北海道の公式サイトにてご確認できます。