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西野製作所らが開発した寒冷地仕様の電気自動車「ネイクル」を2018年春より販売!2017.01.31(火)

西野製作所(室蘭市)などの中小の道内企業チームが開発を進めていた寒冷地仕様の電気自動車(EV)がついに2018年春より販売開始予定であることを明らかにしました。

2016年2月8日の記事で、寒冷地仕様のEV開発について記載しましたが、いよいよ寒冷地におけるEVの活躍がはじまります。

寒冷地仕様の電気自動車(EV)「ネイクル」を2018年4月に販売開始予定

今回、開発した寒冷地仕様のEV車は、トヨタ車体の超小型EVである「コムス」を改造したもので、名称を「ネイクル」とし、2018年4月より販売を開始する予定です。

同社は、1人乗りのEV車となっており、公共交通機関が少ないエリアに在住している方などが気軽な移動手段として利用できるように最適化されています。特に、寒冷地において、公共交通機関も少なく雪の為に出かけづらいといった不便な声がありました。

ネイクルは、販売開始当初は、自治体や企業などへの販売から始めた上で、個人へも販路を広げていきたいとしています。価格は受注生産で100万円を切る価格で提供することを目指しており、価格も手軽で利用できることから、多くの地域の人々が、天候に関係なくいつでもどこもで出かけられる移動手段として定着することに期待できそうです。

前輪と後輪の回転バランスを図り雪道での走行性能を向上


日産本社に展示されている超小型EVコンセプトカー(横浜市西区:筆者撮影)

寒冷地仕様のEVを開発したのは、機械部品を手がけていた西野製作所をはじめ、倉本鉄工所(北見市)、コスモメカニクス(旭川市)、光源舎オートプロダクツ(北広島市)、ファシオネ(札幌市)、福地建装(北斗市)、Will-E(札幌市)、カーポイントビック(札幌市)の8社でプロジェクトを発足させて開発を進めてきました。

同企業チームは、世界的にEVが普及することを早期に着目した上で、寒冷地である北海道でEVを走らせる上で課題となるのが、気温が低くなるとバッテリーの性能が低下する点です。さらに、乗車中は暖房を使用することから、バッテリーをさらに消費させてしまう問題もありました。

そこで、同企業チームでは特殊コーディングを行った上、断熱材としてウレタン素材を使用することで、暖房効果を高めバッテリー消費を抑える他、後輪モーターのトルクを上げることで、前輪と後輪の回転バランスを保ち、雪道など路面状況が悪い中でも走行性能を確保できるように開発を行いました。

自動運転技術への応用で北海道での交通弱者問題の解決にも期待

同プロジェクトで、寒冷地仕様のEVを開発したことで、公共交通機関が少ない地域に在住されている地域住民が雪日でも安心して移動できる手段として注目される中、2020年以降に目指している完全自動運転に向けて、同EV車の技術応用ができれば、北海道地方における交通弱者問題への解決の切り口となりそうです。

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