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新千歳空港を始め道内空港が民営化する背景とメリットとは?2016.11.09(水)

新千歳空港を初めとした道内6空港の民営化に向けた動きが本格化しています。近年空港を民営化するという話題をよく耳にしますが、空港を民営化する議論に至った背景は何か、民営化することで、空港や地域にどの様なメリットがあるのか解説します。

新千歳空港を中核に函館、釧路、稚内、旭川、帯広を一括民営化

北海道の高橋はるみ知事は、2016年3月に開催した北海道議会本会議で新千歳空港を中核として道内空港の民営化を行う方針を明らかにしました。新千歳空港の民営化については、2015年末の段階で国土交通省が方針を固めていましたが、道議会で知事が表明したことにより、道が民営化を容認したこととなり、正式に動き出します。

国土交通省としては、新千歳空港をはじめ、現在国が管理している函館空港、釧路空港、稚内空港の4空港を一括で民営化する方針を示していますが、これに加え、旭川市が管理している旭川空港、帯広市が管理している帯広空港も合わせて民営化対象として検討します。

一方で、札幌市にある丘珠空港については、防衛省所管であるため、旅客という側面より防衛目的が強いため民営化としての枠組みに含めることは難しいの現状のようです。

新千歳空港への一極集中を是正し各空港へのネットワークを充実し収益力を上げる

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新千歳空港の出発ロビー(北海道千歳市:筆者撮影)

現在、北海道には13の空港がありますが、現状として新千歳空港に一極集中しているのが現状で、民営化を行うことで一極集中を是正し、道内各空港のネットワークを充実させることで、収益力をあげていく狙いがあります。

新千歳空港は、2014年度の、着陸料や空港ビル内の物販収入などで86億円の黒字を計上しており、国内の空港では、東京羽田空港、沖縄の那覇空港に次いで3番目に収益力がある空港です。その一方で、函館空港は6億円、釧路空港は8億円、稚内空港は7億円の赤字を計上しており、新千歳空港以外の道内空港の収益力をあげていくことが急務となります。

空港を民営化する最大のメリットとしては、従来まで国が一律で決めていた着陸料を自由に決められる点にあります。一括で各空港を民営化することで、空港施設を一体で運営することが可能になりますので、滑走路や空港ビル、駐車場など重複している部分のコストを削減し、空港内での物販収入を上げるために利用者がより多く消費してもらえるサービスに注力することで、収益力を上げることが期待できます。

格安航空会社(LCC)の就航にも期待

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格安航空会社ピーチアビエーションの機体(大阪府泉佐野市:筆者撮影)

空港を民営化することで、格安航空会社(LCC)が就航しやすくなり、新規路線が開設されるなど、道内各地を結ぶ路線網を充実させることにも期待できます。

2016年10月11日付の記事「ピーチが道内路線を開設検討!道内交通が大きく変わる可能性も!」で紹介したように、格安航空会社であるピーチアビエーション(大阪府泉佐野市)が新千歳空港をハブとして道内各空港を結ぶ路線と東アジアを中心とした国際線を就航させる方針を固めています。

民営化することで、空港を新たに運営する企業が自由に着陸料を決めることができますので、空港設備の一体運営などで着陸料が下がれば、格安航空会社(LCC)にとっては大きな商機となります。

さらに、新千歳空港では2017年3月より発着枠の拡大など、発着数の増加にも期待できることや、訪日外国人観光客の増加などが、道内各地の空港の収益力をあげることに寄与しそうです。

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