本年4月から、電気の購入先を自由に選択できる電力の小売自由化が始まります。これまでは特定の電力会社との契約で選択の余地はありませんでしたが、これからは新たに参入してきた電力会社とも比較して電気の購入先を選ぶことができます。
道内電力市場にも新規参入の動きが相次いでいます。今回は道内における電力市場への参入状況について解説します。
北海道ガスが電力小売市場に参入
北海道ガスも電力小売市場への参入を予定しており、1月7日には家庭向けの電気料金プランを発表しました。
これまでの北海道電力の電気料金と比較すると、標準的な家庭で年間4200円(4.4%)の電気料金低下につながるようなプランに仕上がっています。加えて、ガスや電気の使用量に応じてポイントを付与するサービスの提供も予定しているとのことです。
貯まったポイントは北海道ガスグループのサービスで利用できるほか、日本ハムファイターズの観戦チケットなどに交換することができるようです。
2015年4月22日に記載した「節約上手で豊かな暮らし!忘れがちな節電ポイントまとめ」において、節電のポイントをお伝えしていますが、電力自由化に伴い、更なる節電以外にも事業者の選択、ポイントサービスを上手く利用することで更なる電気代の削減が可能になりそうです。
異業種からの参入も相次ぐ
北海道ガスの他にも、これまでエネルギーとは縁がなかった異業種からも電力小売市場への参入を目指す企業が相次いでいます。
コンサドーレ札幌を運営する「コンサドーレ」と「サッポロドラッグストアー」では、新電力大手の「F-Power」と提携して、電力小売を行う新会社である「エゾデン」を設立することを発表しました。
また、ケーブルテレビを運営するジェイコム札幌でも、ケーブルテレビの顧客を対象とした電力小売の開始が予定されています。
北海道ならではの特性を活かし再生可能エネルギーをアピールする小売会社も
太陽光、風力といった再生可能エネルギーのポテンシャルが高い北海道には、発電分野も含めエネルギー関連企業の進出が目立ちます。
昨年公表された経済センサス基礎調査でも、平成26年7月1日現在の電気・ガス・熱供給・水道業 の事業所数は319となっており、前回調査結果と比較すると50事業所以上増加してることが分かります。
道内では日本最大規模のメガソーラーや風力発電所が稼動を始めています。このような中で、再生可能エネルギー由来の電気であることをアピールする小売会社も出てきています。
コープさっぽろの子会社である「トドック電力」では、販売する電気を太陽光などの再生可能エネルギーで発電したものを中心にすることによって、環境への意識が高い消費者にアピールしていく考えです。道内で150万人以上の組合員を擁し、抜群の知名度を誇るコープさっぽろのブランド力は電力小売市場にも行き渡るのか注目が集まります。