マンション管理組合では、マンションにおける様々なトラブルに備えて、マンション総合保険に加入しているケースが大半です。
しかしマンション管理組合ごとに加入している保険の内容が異なりますので、どういう事故について、保険が適用されることになるのは、事前にその内容を確認しておくと良いでしょう。
東日本大震災が発生したとき、震災による被害が大きかった仙台市内のマンションでも、地震保険に加入していたマンション管理組合の数は全体の2~3割程度でした。
地震保険はマンション総合保険に付帯する形で加入することになるのですが、保険料がかなり高いため、これに加入するのに二の足を踏んでいた管理組合が多かったそうです。
また、地震を原因として火災が発生した場合、地震保険に加入していないと、この事故は保険適用外となり、被害は保険で補償されません。
築年数の古いマンションでは、給湯管が銅管であるマンションが未だ数多く存在します。
このタイプの給湯管は、経年劣化により銅管にピンホール(穴)が発生して階下に漏水する事故が起きやすいと言われています。
水漏れ事故が発生した場合、復旧の手順としては、下記の3つのプロセスを経ることになります。
1.漏水の原因調査
2.原因箇所の復旧(原因の除去)
3.被害箇所の復旧という
上の例で言うと、1の漏水原因調査は、多くのマンション総合保険において主契約に付随しているので、この作業については、一般に保険適用の対象となります。
3の内容については、上下階ともに専有部分(各お部屋)間の事故であった場合、その被害箇所の復旧費用は、個人賠償保険に加入しているかどうかで保険適用の対象となるか否かが分かれます。
これに加入していなかった場合、原則として加害者である上階の方が自腹で、階下の被害部分を復旧しなければならないことになります。
被害の状況によっては、数十万円あるいはそれ以上の費用が発生する場合もあり得るでしょう。
少し複雑で分かりにくいかも知れませんが、ご自身が加入している保険と併せて、マンション管理組合が加入している保険についても見直しを行ってみることをお勧めします。