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新型肺炎コロナウイルスにおける北海道の観光産業への影響は?2020.02.11(火)

中国武漢市を起点に新型肺炎コロナウイルスが猛威を奮っています。中国国内ではすでに感染者による死者数が1,000人を超えるなど日を追うごとに状況が深刻になっています。一方で、道内の観光産業にも大きな影響が考えられ、感染拡大を防ぐために中国政府が出国を停止している他、外出を控える動きが加速することで観光需要の減少も目立っています。

新千歳空港から入国する中国人数は3割減少

中国の武漢市を拠点に感染が拡大している新型肺炎コロナウイルスへの感染懸念などで、道内においても観光客の減少が目立ってきています。

特に中国からの観光客数が減少しており、北海道の空の玄関口である新千歳空港から入国する中国人数は、春節の期間である1月24日から2月2日の期間中1万2900人となり、全体として3割減少しているとしています。

中国政府は新型肺炎コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、団体旅行を禁止を通達しており、道内においても宿泊や移動といった予約の取消連絡が増えているとしています。道が2020年1月14日から31日までに道内の宿泊施設に対して予約状況を調べたところ、約420人の取消があったとしています。

また、日本人による国内からの観光客も減少が目立っているとしており、国内でも感染を警戒して外出を控えるといった動きも目立ち始めています。

北海道の観光損失は200億円を超えるとの試算

道は今回の新型肺炎コロナウイルスの感染拡大における宿泊施設や移動の予約取り消しが相次いでいることで、この状況が3月まで続くことになれば、観光産業への損失額は200億円を超えるとの試算を公表しています。

2月の時期は、中国の春節より多くの観光客が訪れる他、さっぽろ雪まつりの開催時期でもあり、観光産業としては書き入れ時ではあるものの、今年のさっぽろ雪まつりは、例年に比べ外国人観光客も少なくなっています。

また、主要会場である大通会場においても、例年は身動きがとれないほど、多くの来場客で賑わいますが、今年は比較的空いている状況となっています。

観光産業への支援策も検討中

中国武漢市を拠点に拡大している新型肺炎コロナウイルスによる道内観光産業への影響が懸念される中で、鈴木直道同知事は、観光産業への落ち込みを抑える目的で、支援策を検討していることを明らかにしています。

2018年9月に地震の発生により観光客が一時落ち込んだ際に、2018年10月2日に記載した、宿泊費と交通費を補助する「ふっこう割」を実施し観光客が回復した実績があり、今回も支援策を導入するとなれば、同様の施策が展開されるものと予想されます。

新型肺炎が早期に落ち着くことを祈りつつ、早期に観光客の来道者数が回復できることを期待したいところです。

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