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セコマが不織布マスク製造に参入へ!参入の本当の狙いとは?2020.08.12(水)

北海道を中心にコンビニエンスストア「セイコマート」を展開しているセコマ(札幌市)は、マスク製造と販売に参入することを明らかにしています。石狩市に専用工場を設け、従業員で試験使用を行った後、道内外の約1200店で取り扱いの予定しています。

セコマが8月下旬より不織布マスクを製造

北海道を中心にコンビニエンスストア「セイコマート」を展開しているセコマは、2020年8月下旬より不織布マスクの製造販売に参入します。

石狩市に補助金も合わせて約1億円を投じた上で、自社で活用していた既存の建物を改装した上で工場にし、1ヶ月あたり約100万枚を製造する計画です。製造したマスクは自社やグループ会社の従業員で試験使用を行い、使用上の問題を解決後、道内外にある約1200店舗のセイコマートで販売する予定としています。

国内では一旦収まったかのように思えた新型コロナウイルス感染症ですが、緊急事態宣言解除後再び増加傾向となり、感染拡大が収まる気配がないことから、しばらくの間、マスク需要は多いものと考えられます。

北海道経済産業局の要請で王子HDと協力してマスクを製造

セコマが不織布マスク製造に参入した背景としては北海道経済産業局が道内でサプライチェーンを構築すべく製造会社を探していたところ、セコマがこの度、協力意向を示したことで、製紙大手の王子ホールディングス(HD)の協力で製造に参入することになりました。セコマは食品工場はありますが、食品以外の製造は初めて経験となり、王子HDのノウハウを借りながら、自社で製造を行います。

王子HDは苫小牧市に製紙工場がありますが、道内ではマスクを製造しておらず、全てが中国からの輸入に頼っていたこともあり、セコマが製造に参入することで、道内へのマスク供給が迅速に可能になることに期待したいところです。

セコマは社会的責任(CSR)を重視する経営を行っており、マスク製造により新型コロナウイルス感染対策に協力していく他、これ以外にも、道内40以上の自治体と災害時の協力協定の締結、道内農産物を利用した食品を道外への販売をするなど、地域産業としての役割を果たしていきます。

大手が展開していない地域でも地域店舗としてマスクの安定供給が可能

セコマは、道内に約1,000店舗を超える店舗網を抱えていますが、道内は広く買い物に行くのも大変な地域もある中、セコマは大手が展開していない地域においても、店舗を展開していることも多く、地域の重要な店舗としての役割も果たしています。

また、冬になると雪で外出も難しくなる状況も考えられる中、セコマがマスクの製造と販売を行うことで、地域住民にとって近場の店舗で安定的にマスクを入手が可能になります。

自社にとっても、再度マスクの供給が不足した場合に備えて、安定的に従業員向けにマスクを供給できる利点もあり、どのような状況下にあっても地域店舗として地域住民にサービスを提供し続けていく指名を果たすことができそうです。

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