森永製菓は、道産原料を使用した土産品を道内で拡販することを明らかにしています。北海道新幹線が開通したことにより本州からの交通アクセスが向上したことで、本州などからの観光客が流入していることに加え、近年では訪日外国人観光客も増えていることから、道産の土産品を拡販することで今後増えると予想される需要を取り込みます。
北海道限定のベイクやエンゼルパイ、キャラメルと商品を拡大
同社では、従来までは人気商品である「ハイチュウ」の北海道限定品を扱っていましたが、2016年より北海道産のミルクを使った焼き菓子である「ベイク」を取り扱い開始した後、今年1月より「エンゼルパイ」、今年4月より「ホワイトミルクキャラメル(税別800円)」と「クリームチーズキャラメル(税別800円)」を取り扱い開始しています。
同社は、過去にハイチュウ以外の限定商品として「チョコボール」を取り扱っていましたが、土産品の購買層は主に大人が中心となることから、想定した年齢層と乖離があったことから、今回は大人の旅行者をターゲットとした商品開発を行ったとのことです。
空港や駅、ホテルに加え道の駅など販路を拡大
北海道限定の土産品を拡販するにあたり、販路も拡大する方針です。これまで土産品の購買需要が高かった空港や駅、ホテルに加え、道内の道の駅などへも販路を拡大します。
また、パッケージなどに北海道の地図やなどを描くことで北海道土産であることを全面に出すことで購買意欲を高める工夫を行います。また、専用の陳列棚を販売店に設置して土産品をまとめて陳列することで、観光客の目に止まりやすいよう工夫をします。
同社では、北海道限定商品を開発するにあたり、今までは本社のマーケティング本部で開発を行っていたのを北海道統括支店の関与を強めることで、地域性をより重視した商品開発ができたことも大きなポイントといなっています。
土産品の売上高を3倍に引き上げ、地域産業の発展にも期待
今回、北海道限定の土産品を拡販するにあたり、道内において土産品の売上高を2016年より3倍に引き上げる目標を掲げています。
2017年3月31日付の記事で記載していますが、北海道新幹線が開通したことで、道南地方を中心に国内観光客が増えており、これによる経済効果は200億円規模に拡大しています。今後、北海道新幹線の札幌延長が実現するとなればこの効果はさらに拡大することも予想されます。
さらに、訪日外国人観光客も増えている状況に加え、日本政府としても2020年まで訪日外国人数を4000万人まで引き上げる目標を掲げていることから、政府の積極的な施策やPRにより国外からも北海道に訪れる方も増えるこも十分に考えられます。
これにより、同社の売上高に寄与するだけではなく、道内の観光施設の他、土産品として原材料の仕入先である農産業などへの経済効果など、北海道経済のさらなる活性化につながることに期待できそうです。