道内を拠点に事業活動を行っている上場企業の2017年度の決算が出揃いました。金融機関を除いて、2018年度見通しを発表した企業26社の内、20社が最終損益の改善を見通しており、北海道経済も回復基調に向かっていることが伺えます。
イオングループ2社は2018年度は増収増益を見込む
道内で総合スーパーを展開するイオン北海道と食品スーパーマーケットを展開するイオングループのマックスバリュ北海道は2018年度は増収増益を見込んでいます。
イオン北海道は2017年2月期の連結決算では、食品販売が好調だったことや、ダイエー店舗を継承し改装を実施したことにより、売上高は前年同期比8%増の1845億円で、本業の儲けを示す営業利益は前年同期比4%増の82億5800万円、営業外収益を加味した経常利益は前年同期比3%増の82億6700万円となりました。
2018年2月期の連結決算予想は、売上高が1867億円、営業利益が84億円としており、さらに中期計画では既存点の改装や新規出店を進める他、インターネットと実店舗を融合させた「オムニチャネル」を推進し、営業利益を90億円を目指すとしています。
マックスバリュ北海道は、2017年2月期の連結決算では、売上高が前年比12%増の1232億円、営業利益が前年比11%増の12億8700万円、経常利益が前年比7%増の13億900万円となりました。ダイエーや帯広のいちまるを継承したことで増収要因になった他、生鮮品や惣菜の売上が好調だったとしています。
2018年2月期の連結決算予想は、売上高が1280億円、営業利益が13億円としており、今期に比べ売上高は4%増、営業利益は1%を見込んでいます。
北海道ガスは2018年3月期の売上高は15%増の1000億円を見込む
札幌市や石狩市、北広島市、千歳市、小樽市、恵庭市、函館市、北斗市、北見市を中心に都市ガスサービスを提供している北海道ガスは、2018年3月期の売上高は今期比15%増の1000億円を見込みます。
2017年4月7日付の記事で紹介した、電力自由化に伴い参入した電力事業である「北ガスの電気」において、割安な料金やポイントサービスなどを武器に申し込み件数を10万件目指すとしています。2017年4月時点では既に申し込み件数は6万4000件と目標を上回っており、さらに、北海道ガス以外の利用者に対しても割引制度を拡充することで営業外地域への開拓を進めていく方針です。
2017年3月期の決算発表では、売上高が前年比7%減の870億円、営業利益が前年比25%減の15億50万円、経常利益が前年比2%増の18億2400万円となりました。原料費調整制度により販売単価が低下したことが売上高と営業利益の減収要因となったものの、ガスの販売量そのものは8%増加しています。
ロジネットジャパンは通販拡大による宅配便利用増に伴い営業利益11%を見込む
北海道を中心に物流事業を展開する「ロジネットジャパン」は、インターネット通販の利用拡大に伴い、近年叫ばれている宅配の利用増加による追い風となっていることや、関東や関西地区を中心に道外での事業展開を拡大を進めていることもあり、売上高は552億円で4%増、営業利益は24億2000万と11%増と増収増益を見込みます。
2017年3月期の決算では、不採算案件の整理を進めたことで売上高が529億6300万円で前年比0.5%減少しましたが、不採算案件によるコスト削減が寄与したことやミネラルウォーターのサテライト事業による営業効果の影響で営業利益は前年比40%増の6億2500万円、経常利益は前年比40%増の6億1400万円となりました。