道内で障害者雇用が広がっています。人手不足が問題となりつつあること、人材の多様性(ダイバーシティ)の推進などの意識高まりで障害がある方を積極的に採用することで、人手不足の解消の他、ダイバーシティであらゆる価値観を尊重することで企業の競争力を高めていく意識が根付きつつあります。
障害者雇用促進法の他、人材不足やダイバーシティなどで障害者雇用広がる
近年、障害者雇用が広がっている背景としては、国が公的機関や民間企業に対して「障害者雇用促進法」により、一定以上の割合で障害がある方を雇用するように義務付けられています。ただし、現状としては多くの公的機関や民間企業では、障害者が働ける環境が十分に整っていないことや理解不足などにより、障害者を雇用するケースはわずかしかなく、軽度の身体障害者を雇用する割合が多いのが現状でした。
ただし、近年では人手不足やダイバーシティの推進など、あらゆる特徴や価値観を持った人を積極的に雇用することで、今後ますます広がっていく多様な価値観に合わせて企業活動を行うことが求められています。
そのため、道内企業においても障害者雇用を進めるにあたり積極的に投資を行い、あらゆるニーズにあった事業展開に備えていきます。
コープさっぽろは障害者職員を正規職員に転換する制度を導入
スーパーマーケットを展開しているコープさっぽろでは、これまで多くの障害者を雇用してきましたが、その多くがパートタイマーといった雇用形態が主でした。
2018年7月時点ではグループ全体で426人となっており、障害者雇用率は5%を超えているとしています。ただし、離職率をへらすことも課題となっており、労働集約型産業という特性上、人手不足の影響は避けられず正規職員に転換することで人材を囲い込む狙いもあります。
そのため、障害者職員を正規職員に転換することに合わせて、障害者職員の支援や相談できる専任スタッフの配置、健常者職員に対して障害者職員との接し方や配慮すべき点などの研修を実施することで、長く働ける環境を提供します。
野菜工場のOzakiで障害者雇用を進める
釧路市の農業ベンチャー企業であるOzakiは、2018年6月26日の記事で記載していますが、同社が2018年11月より稼働予定の野菜工場において知的障害者を積極的に雇用する方針で有ることを示しています。
同社は、野菜を天候や気温に関係なく安定的に供給できる環境を整えたいとの思いから、農林水産省の助成金を受けて、市内で飲食店を経営していた尾崎氏によって2018年1月に企業を設立し、同年11月より工場を稼働させる予定です。
知的障害者にとって農作業は、個々の能力を最大限に活かして仕事がしやすい特徴があることから、積極的に雇用を進めることで福祉企業として事業展開しつつ、生産性を高め営利企業としての両方の価値を高めていく方針です。