2016年3月25日に念願の北海道新幹線が開通し2017年3月時点で1周年となります。北海道新幹線の開業後の経済効果を北海道経済連合会が道内企業474社と東北企業880社を対象にアンケート調査を行いました。回答数は道内企業が159社、東北企業が337社で全体の回答率は36.6%でした。
北海道新幹線開業後のプラス効果は39%
道経連のデータを元に筆者作成
北海道経済連合会が道内企業に対して、アンケート調査を行った所、自社の事業に対して、プラス効果があったと回答した企業は10.1%で、どちらといえばプラスの効果があったと回答したのは28.9%となりました。プラス効果を実感したと回答数を合計すると39%になりました。
一方で、どちらとも言えないと回答した企業は、59.7%と調査内容では過半数を占め、大半の企業が北海道新幹線による経済効果を実感していないということが浮き彫りとなっています。
北海道新幹線は、現状では北海道南部の函館までに留まっていることから、北海道全体でみるとその恩恵を受けるのは北海道南部に集中していることも今回の調査結果の内容を反映していると予想されます。
北海道新幹線の札幌延長に期待が高まっている
北海道新幹線が札幌まで延長された場合における経済効果は多くの企業が期待を寄せています。
道経連のデータを元に筆者作成
札幌に新幹線が延長した場合における事業への影響としては、プラス影響があると答えた企業は32.9%、どちらと言えばプラス影響があると答えた企業は27.8%、どちらとも言えないが39.2%となりました。
2016年12月13日の記事で記載していますが、札幌市中心部では北海道新幹線の延長に向けて不動産開発が進んでおり、新幹線延長による経済効果を見込んで企業の進出や観光客がさらに増加することも期待されています。
プラス影響は「観光客の増加」札幌延長で「事業拡大」に期待
今回のアンケート結果で、プラス影響を感じていると回答した企業の具体的な理由としては、「観光客が増加」をあげています。
特に、北海道新幹線が乗り入れた函館市などは、首都圏をはじめ本州からのアクセスが断然に良くなったことから、観光客も大幅に増えており、2016年12月6日付の日本経済新聞北海道地域版の記事によると、2016年上期の観光客数(推計)は366万5000人で14%増加したとしています。
また、新幹線が札幌に延長すると、観光客数の増加に加えて、取引先の拡大や商取引の拡大など、交通アクセスが向上することから、事業拡大に多くの企業が期待を寄せています。