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北海道が自動運転開発試験場を誘致へ!産業の育成と雇用拡大に期待2016.11.22(火)

北海道は自動運転車の開発拠点となる自動運転試験場(テストコース)を道内に誘致する方針を明らかにしたことを2016年11月17日付の日経産業新聞が報じました。

IT技術の普及でコンピューター制御で自動車を動かすことが可能になり、従来の自動車メーカー以外にも電機メーカーやIT企業など自動車開発の裾野が広がる中、試験場を誘致し開発拠点とすることで、雇用を後押し次世代産業の育成に力を入れていく狙いがありそうです。

雪道など道の地域の特性を活かした試験が可能

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今回、北海道が自動運転試験場を自動車メーカーなどに対して、誘致を呼びかける上で、大きなアピールポイントとしては、積雪や低気候など北海道ならではの気候条件を利用して試験ができる点です。

トヨタ自動車など自動車メーカー各社は、自前でテストコースを保有しており、市場に出回る前の車両などに対して走行試験を行っています。しかしながら、自動車産業が集まる愛知県や静岡県などの中部地方などは1年間の間で積雪となる日数が限られていることから、冬場に積雪が多い、北海道ならではの土地を利用することで、積雪時の自動走行試験などが可能になります。

また、世界的に電気自動車(EV)が普及していることや自動運転で必然的にEVへの移行が進むことが予想される中、トヨタ自動車もEVの量産を行うことを表明しました。特に、EVはバッテリー性能が高く求められますが、外部気温の低さなどでバッテリー性能が劣化する課題が存在します。

2016年2月8日の記事で紹介しましたが、寒冷地使用のEV開発に乗り出している道内の企業も多いことから、北海道への自動運転開発拠点の誘致は、寒冷地仕様のEVに関連した開発を後押しすることも大いに期待できそうです。

苫小牧市を候補地として検討

北海道が誘致を検討している自動運転試験用のテストコースは、自動車など製造業が多い苫小牧市東部を候補地として上げています。

苫小牧市は、トヨタ自動車グループ(愛知県豊田市)のトヨタ自動車北海道の他、自動車部品メーカーであるアイシンAWグループ(愛知県安城市)のシーヴイテック北海道、いすゞグループ(東京都品川区)のエンジン部品メーカーであるいすゞエンジン製造北海道が生産拠点を設けている他、近隣の千歳市にはデンソーグループ(愛知県刈谷市)のデンソー北海道の開発拠点があるなど、トヨタ系列を中心とした自動車産業が多く集積しています。

自動運転試験用のテストコースは、車両を開発した後の運搬コストや試作車や公開前の車両など外部流出を防止する点を考慮した場合、自動車産業が集まる苫小牧市が最適と言えそうです。

地上設備や通信システムなどを備えICT化にも対応

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誘致を検討している自動運転試験場では、単純に自動車の走行ができるだけではなく、今後普及していくであろうICT化へも対応していく方針です。

自動車においても、コネクティッドカーと呼ばれる外部通信が可能にすることで、車両の走行データの収集やドライバーへの情報提供などのニーズが高まっています。さらに、自動運転が本格的に普及していく段階に入れば、車両同士で通信する車車間通信(V2V)や路車間通信(V2I)など、車両同士や路肩に設置されているセンサーなどと通信を行うことで、自動車事故を未然に防止する目的で重要な技術として注目されています。

ICT技術も合わせて備えることで、長期的な開発拠点としての利用を促し、産業の裾野を拡大し、さらなる雇用を生み出すことに期待できそうです。

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