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道内で企業内保育所を設置する企業が相次ぐ背景とは?2016.11.18(金)

一昔前までは、男性は外に出て働き、女性は専業主婦として家庭にいることが標準として、国や企業の制度が定められていましたが、時代の変化や国際化などの進展により、多用な人材を上手く活用し競争力を高めていく必要があることや、長引く不況により、女性も外に出て働くことで収入を増やすことに加え、特有のスキルを身につける必要性が生じているなど、女性の活躍が強く求められてきています。

しかしながら、働く環境や旧来型の制度などで子育てをしながら働くことが困難で仕事を止めざる得ない状況となり、小売業や食品製造業などを中心に人材の流出で人手不足となることや共働き家庭の増加で保育所の数が足りず、都市部を中心に待機児童が増えていることが社会問題化されています。

そんな中、道内では企業内保育所を設置する企業が増えています。

国が「企業主導型保育事業」を創設

国は2017年春より、企業に対して保育所の整備費などを助成する「企業主導型保育事業」を創設することを明らかにしています。

人手不足や待機児童が社会問題として取り上げられる中、企業が保育所を開設することで、子育て中の従業員が子育てと仕事が両立し易い環境を整える他、人材の流出を防ぐことで、生産性をそのままに事業の発展に貢献してもらうことで、国全体の経済的な発展にもつながっていくことが期待できます。

また、日本では少子高齢化により、労働者人口が減少することが予想される中、女性をさらに活用することで、生産性を向上させることが求められていくことから、子育てと仕事が両立できる環境を整えることは急務となっています。

東急百貨店札幌店は店内に保育所を開設

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東京都と神奈川県を中心に鉄道、バス、不動産事業を手がけている東急グループの東急百貨店札幌店では、2017年4月より「企業主導型保育事業」を活用して、店内の営業スペースを活用して保育所を開設する方針です。開設当初は、0~2歳を対象に同社の従業員の子供10人と一般の子供9人を預かります。

保育所の運営は、道内の社会福祉法人に委託し、プロの保育士によるサービスが受けられるのが特徴です。

石屋製菓は最寄りの地下鉄駅前のビルに保育園を開設

北海道の手土産として有名な「白い恋人」を製造している石屋製菓(札幌市西区)は、本社の最寄り駅である札幌市営地下鉄宮の沢駅前のテナントビル1階に認可外の保育園「白い恋人キッズパーク」を開設しました。また、北広島市に新設予定の工場でも「企業主導型保育事業」を活用して保育所を開設する方針を明らかにしています。

同社では従業員数730人の内、パートやアルバイトを含む約400人が女性が占めており、女性の働きやすい労働環境の構築は不可欠となっています。

セコマは食品工場内に保育所を設置

道内でコンビニエンスストア「セイコマート」を展開するセコマ食品工場内に認可外の保育所を設置しました。保育所はグループ企業の従業員を対象にサービスを提供し、月間20日勤務した場合は9000円で利用できることから、子育て世代の人材活用が広がり、長期に勤務する従業員が増えたことを実感しているとのことです。

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