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トヨタ生産方式活用でソフト開発コスト削減に成功した道内企業「AW-SW」を紹介2017.01.17(火)

自動車部品大手のアイシンAWグループ(愛知県安城市)のカーナビシステム開発子会社「株式会社エイ・ダブリュ・ソフトウェア(AW-SW)」(北海道札幌市)は、トヨタの生産方式である「アンドン」をソフトウェア開発現場で導入することで、開発コストを削減し、従業員の残業時間と休日出勤の削減に成功をしています。

トヨタ生産方式「アンドン」とは?

トヨタ自動車が採用する生産方式「アンドン」とは、自動車工場において、生産ラインの異常情報を共有することで、手が開いている社員などで手助けを行うなどして生産を効率化を図る生産管理システムです。

エイ・ダブリュ・ソフトウェアでは、プロジェクトにおけるチーム毎の進捗状況をオフィス内に大型モニターで表示することで、見える化しこの情報を元に手があいている社員が遅れているチームに入り作業を手伝いすることで、プロジェクト全体の遅延を防ぎます。

ソフトウェア開発は、各工程に沿って開発業務が進められ、工程ごとにチームを組み開発が行われますが、前工程において遅延が発生すると後の開発業務に影響を及ぼすことから、プロジェクトそのものの遅延に繋がってしまう課題がありました。

1プロジェクトあたりの開発コストを2分の1以下に削減

エイ・ダブリュ・ソフトウェアでは、トヨタ生産方式「アンドン」を導入後、開発コストを2010年度は平均2100万円だったのに対し、2015年度は平均915万円と2分の1以下に削減することに成功しています。

同社では、開発コストが重荷になっていることから、「開発コスト半減」という目標を定め試行錯誤していく過程で、2011年度より「アンドン」を導入したところ、各チームの進捗が見える化したことで遅延を減らした結果、開発コストの削減につながりました。

さらに、開発における不具合予測精度が高いことが評価され2016年度の日本品質奨励賞に道内企業では始めて選ばれました。

ソフトウェア開発コストの大部分は人件費

ソフトウェア開発におけるコストの大部分は人件費が占めています。そのため、1つの工程で遅れが発生し、後の開発業務が更に遅延した場合、一人あたりの労働時間が長くなってしまうことにつながり、残業時間や休日出勤などが増え開発コストの負担が高くなってしまいます。

同社では、2015年度の残業時間が2010年に比べ5時間削減できた他、休日出勤についても1人あたり1.5日と、2010年の7日に比べ大幅に削減できています。

ソフトウェア開発を請負うIT企業の多くが、不具合などトラブルによる遅延や顧客の要求が急変するなど、残業時間や休日出勤が多いことが業界全体としての課題となっています。同業者では、名古屋市の「システムリサーチ」がPDCAサイクルに基いてプロジェクトの見える化を行い、問題点を改善することで問題を早期発見することで残業時間を1人あたり80時間以下に削減することに成功しています。

アベノミクスが掲げる「働き方改革」で、労働環境を改善し生産性の向上を目指す中、ソフトウェア業界全体として開発コストを削減し労働時間を短縮するための取り組みが増え、コスト削減を行い生産性向上につながることに期待します。

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