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北海道の特産品ブランドを守る「地域団体商標」の活用事例を紹介2016.02.03(水)

昨年11月に「勇知いも」が地域団体商標として新たに登録されました。今後のブランド化を進めていくための大きな一歩を踏み出したと言えます。地域の特産品をブランド化していくにあたって課題となるのが模倣品の存在です。ブランド力の源泉のひとつであるブランド名を守っていくのは重要であり、道内各地でも地域団体商標の活用が進んでいます。
 
今回は道内の特産品ブランドを守るための取り組み「地域団体商標」の活用事例を紹介します。

地域団体商標とは?

地域団体商標とは、地域の事業者同士が協力して特産品のブランド化を目指していく際に取得することが可能な商標です。
 
商標として登録することによって権利が保護され、大々的にブランド展開を図ることができます。また、通常の商標と違って、その権利は個別企業に限定されず、地域団体商標を登録した農業協同組合などの団体の構成員全体で使用することが可能です。地域をあげてブランドをアピールしていくのに向いた商標制度となっています。
 
制度がスタートしてから約10年が経過しましたが、昨年11月の「勇知いも」を含めこれまでに道内で27件の登録があります。
 

地域団体商標によりブランド化に成功した十勝若牛

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特許庁の「地域団体商標事例集2015」では、地域団体商標制度を活用してブランド化が進んだ事例として、十勝清水町農業協同組合の「十勝若牛」が紹介されています。
 
十勝若牛は、上川郡清水町の肉牛農家でこだわりある独自の肥育方法で育てられたものであり、赤身肉の旨味が最大限に引き出された逸品です。
 
十勝清水町農業協同組合では、最終消費者に商品を認識してもらうことを理由に商標権獲得を目指し、平成24年に地域団体商標としての登録が叶いました。登録後も十勝和牛のブランドイメージを守っていくために、ロゴ規定マニュアルやブランドコンセプトを組合員で共有し、品質維持に努めています。
 
登録翌年の平成25年には、「新・ご当地グルメグランプリ北海道2013」で十勝若牛を使った「十勝清水牛玉ステーキ丼」が総合優勝を飾るなど、ブランド化成功への道を着実に歩んでいます。
 

地域団体商標は登録主体が幅広く活用しやすい

このように地域の特産品のブランド化に適した地域団体商標ですが、商標法が改正されたことによって農業協同組合などの他にも商工会・商工会議所やNPO法人も登録主体になることが可能になりました。
 
本年1月には、栃木県氏家商工会の「氏家うどん」、大分県中津商工会議所の「中津からあげ」が商工会・商工会議所が登録主体となった初案件とし公表されました。
 
ご当地グルメが多い北海道としても、活用の道が広がっていきそうです。

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