新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で在宅勤務制度を取り入れる企業が増えています。また、在宅勤務制度を永久的な制度にする企業も増えており、地方へ滞在しリモートワークをしながら休暇も楽しむ「ワーケーション」の関心も高まっています。今回は、ワーケーションを行なう長所と短所を考えてみました。
ワーケーションとは?
ワーケーションとは、仕事と休暇を組み合わせた造語で、在宅勤務制度やテレワーク制度などを利用して地方に滞在しながら遠隔地仕事を行なうのと同時に、現地での観光や文化体験など仕事の合間に楽しむことも可能です。
近年、都市部への人口集中により、地方活性化への関心が高まる中、ワーケーションは地方への関係人口を増やすことで地方活性化へ寄与することが期待できることから、2019年11月19日に紹介している通り、北海道でもワーケーションの受け入れ実験を開始しています。
さらに、2020年より中国を発症とした新型コロナウイルスの感染症拡大により、在宅勤務制度が多くの企業で導入されている他、人口の密集が少ない、地方への移住や滞在にも関心が高まっており、在宅勤務制度やリモートワーク制度を利用して、地方に滞在しながら仕事をするという働き方を始める方も増えています。
ワーケーションを利用する長所
ワーケーションを利用して仕事を行なう長所としては、旅行と仕事を並行できることや仕事と家族サービスを両立できる、出社が不要であるの3つがあります。
旅行と仕事を並行できる
日本の企業では有給休暇の取得がしづらいといった声も多い中、ワーケーションでは旅行と仕事が並行できることも長所の一つです。
例えば平日は仕事を行い、休日には滞在先での観光や散策などを楽しめるなど、メリハリがある生活も可能となります。そのため、普段の職場で仕事をするのと比べて、気分もすっきりすることに加え、現地での新たな発見などで、変化がある日常も同時に味わえます。
滞在先で得た気づきなどを仕事などのアイデアに結びつけられる可能性が広がるなど、普段の生活では得られない情報も得ることができそうです。
仕事と家族サービスを両立できる
ワーケーションでは仕事と家族サービスが両立しやすいといえます。滞在先で平日は仕事を行い、終わればそのまま家族全員で食事に出かける、休日は家族全員で出かけるといったことがしやすいと言えます。
出社が不要で仕事ができる
ワーケーションに限った話ではないですが、在宅勤務同様に出社が不要になることから、都市部では満員電車に乗る必要がなり、朝の渋滞でいらいらがなくなるなど、出社による心理的負荷を軽減できます。
ワーケーションの短所
ワーケーションの短所としては休暇と仕事の線引が曖昧になる、通信環境悪化で仕事ができなくなる、現状誰もが利用できる制度では無いことがあげられます。
休暇と仕事の線引が曖昧になる
ワーケーションは、滞在先で仕事を行なうため時間管理などを含め同行者と話し合い、時間について取り決めを行った上で利用する必要があります。ただ、時間配分を曖昧にすると、今ある仕事を後回しにしてしまい、気づいたら休暇と同様の過ごし方になっていることもあります。
通信環境の悪化など仕事ができなくなる
ワーケーションは、滞在先の通信環境を利用するため、通信環境が悪化した場合に仕事ができなくなることもあります。その場合は有給休暇を取得するか、急ぎの仕事であれば滞在先を切り上げる必要が出てきます。
現状として誰もが利用できる制度ではない
ワーケーションは、在宅勤務制度やリモートワーク制度がある会社でしか利用できません。また、会社によっては自宅以外では仕事してはならない、週に数回は出社が必要になるなど、必ずしも誰もが利用できる制度でないのも現状です。