札幌のみならず、夏は北海道へ訪問するのに最適な季節であると言われています。東京を含め本州などと比較すると気温が低く避暑地として旅行や長期滞在など訪問される方も多いです。ただし、近年では札幌でも気温が上昇してきていることも耳にする機会が増えています。今回は札幌と東京の気温を比較し、夏場は本当に過ごしやすいのか考えてみます。
札幌は東京に比べると気温は4度から6度程度低い
気象庁のデータを元に筆者作成
日本は夏場になると、太平洋側からの湿った空気が流れ込み、気温が上昇するだけではなく、湿度も大きく上昇することから、蒸し暑い日が続きます。
一方で、北海道は東京や西日本地方と比べて気温が低いことから、蒸し暑い夏場になると避暑地として訪問される方も増えます。また、新型コロナウイルスの感染症拡大で延期になりましたが、2019年11月6日に記載している通り、東京の夏場に暑さを理由に2020年の東京五輪のマラソン競技が札幌で開催されることが決まりました。
札幌と東京の2019年6月から8月の夏場の平均気温を比較してみると、東京の気温は札幌に比べると4度から6度程度高いことがわかります。
札幌は6月から7月あたりは20度前後で推移していますが、東京の場合は20度から25度前後となっています。一方で、8月から差が顕著となり、東京は30度前後なのに対し、札幌は8月でも25度から低いときでは20度を下回ることもあります。
気温だけではなく湿度についても考慮する必要がある
気象庁のデータを元に筆者作成
夏場に暑いと感じる要因としては温度だけではく、湿度も大きく関係してきます。後述していますが、同じ温度でも湿度の違いで、体感温度は大きく変わります。湿度は空気中の水分の割合のことですが、湿度が高ければ、人間の体は体内に熱がこもりやすくなりますので暑く(暖かく)感じます。一方で、低い場合は、体内の熱が外に放出されやすくなるため、寒く(涼しく)感じます。
例えば、同じ25度でも湿度が高ければ暑く感じる一方で、湿度が低ければ涼しく感じられます。これは後述している通り、「不快指数」と呼ばれる数値でも示すことができます。
まれに、札幌は湿度が低くカラッとしているから涼しいと言われることもありますが、実際の札幌と東京の湿度を比較してみると、札幌がわずかに低い場合も見受けられますが、全体的に湿度は変わらないと言えます。
不快指数は札幌でも7月中旬から8月は高めとなる
気象庁のデータを元に筆者作成
気温と湿度の関係は不快指数という数値で示されます。全体として、不快指数が65~75が快適に過ごせる目安となり、75~80になるとやや暑いと感じます。80以上になると蒸し暑く不快に感じるようになります。
札幌は気温が低く湿度は高めでありますので、東京に比べると不快指数については6月から7月中旬頃までは快適に過ごせることがわかります。本州で梅雨の時期にじめじめしている時期にであれば、札幌に来ることで梅雨のじめじめとした不快感から逃れ快適に過ごすことができると言えそうです。
一方で、7月中旬から8月には80を超えることも多く、札幌と言えども東京ほどではなくても蒸し暑さを感じることもありそうです。近年では30度を超える日も散見されるようになりました。特に、7月~8月は夏季休暇を取得する方も多く、札幌に訪れる機会も多い時期ですが、日によっては札幌においても蒸し暑く感じることもあることに留意した上で旅行することをおすすめします。