帝国データバング札幌支店は道内企業に対して従業員への給与を見直す意向があるかどうかについて調査を行い、その結果48%の企業が賃上げに前向きであることを明らかにしています。
近年では景気回復基調にありものやサービスへの需要が増えている中で、少子高齢化や人口減少により人手不足が深刻になっている問題があります。企業は従業員への給与を引き上げることで人材をひきつけ定着を図っていきたいと考えている実態が浮かび上がります。
給与を見直す意向を示した企業は48%と全国平均を上回る
帝国データバングは、最低賃金引き上げに伴う北海道内企業への意識調査を実施し、道内企業に対して従業員への最低賃金の引き上げ意向に関する調査を実施しました。
今回の調査結果によると、最低賃金の引き上げに合わせて給与形態を見直すと回答した企業は48%に上ることが明らかになりました。
昨年9月に実施した調査に比べて5ポイント上回っており、景気回復基調でものやサービスの需要が増えている中、少子高齢化で働き手が確保しづらい状況が続いていることが伺えます。
最低賃金引き上げは採用難や人員確保が最多
最低賃金を引き上げる意向を示した企業に対して、その理由を調査した結果、「採用が難しくなっている」、「人員確保を行いたい」と回答した企業の割合が高いとしています。
特にサービス業については労働集約型産業であるため、人手不足は深刻化していることに加え採用においても競合する企業が増えていることから「採用難」をあげている企業は多い特徴があります。
また、建設業については、老朽化した建物などの再開発の需要が増えている中、業績も向上している状況であることから、従業員への収益還元を強化したいという回答もありました。
北海道の最低時給は25円アップの835円に
今年の10月に最低賃金が全国で改定されたことで、北海道の最低時給は昨年と比べて25円アップし、835円となりました。
道内企業における採用時の最低時給の平均額は912円となっており、トップは金融業で1037円、続いて建設業が975円、不動産業が949円となっています。
道内の求人倍率は過去最高の1.22倍
道内企業の半数が最低賃金の引き上げに前向きとなっている中、道内における直近9月の有効求人倍率は1.22倍となり過去最高となっています。
前年同月比とくらべて0.07ポイント上回っており、仕事を探している方の数と比べて求人数が多いことから、道内企業の人手不足は年々深刻化していることが伺えます。