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北海道内でバイオマス発電を通じて循環型社会を実現する動きが本格化2016.04.29(金)

2016年2月29日、北海道銀行が中心となって設立された「道銀アグリビジネスファンド」は、上川郡清水町御影でバイオマス発電事業を行う「株式会社御影バイオエナジー」に1億円の出資を行うことを決定しました。
 
今回のバイオマス発電事業への出資により、道内でのバイオマス発電事業を後押しすることで、2016年4月から開始した電力自由化に加え、農産業が多い北海道では、燃料の供給源が多いことからバイオマス発電の普及とビジネスの拡大に期待できます。
 

家畜の糞尿を燃料にして発電

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放牧されている牛(出典:ぱくたそ)
 
「道銀アグリビジネスファンド」からの出資を受けた「株式会社御影バイオエナジー」は、上士幌町で酪農事業を行う株式会社ノベルズが設立した法人であり、同社を含む地元の酪農業者から家畜の糞尿を受け入れて、それを燃料にバイオマス発電を行います
 
酪農事業を行っていく上では、飼養頭数が増えるに伴って糞尿対策が重荷になっていきます。
 
今回のバイオマス発電事業は、糞尿対策になるのはもちろんのこと、発電した電気や副産物である液肥の販売を通じて、酪農経営者の収入多角化につながることが期待されています。
 

バイオマス発電の導入でエネルギー自給率をアップ

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北海道内の農場(出典:ぱくたそ)
 
北海道は、森林資源に恵まれ、牧場も多いため、バイオマス発電のポテンシャルが高いと言われています。今回の御影バイオエナジーの他にも、大規模なバイオマス発電プロジェクトが道内各地で始動しています。
 
例えば、別海町では、家畜の糞尿を電気や有機肥料に変換することによって循環型社会を実現する「バイオマス産業都市構想」を立ち上げています。これまでは廃棄物扱いだった家畜の糞尿ですが、水産系と食品系の産業廃棄物と合わせて発酵させ、そこから生じたバイオガスを燃焼させることによって電気を生み出していくのです。
 
別海町のバイオガス発電所では、2800世帯分に当たる約9600MWhの発電量を見込んでおり、この売電売上は地域に還元され、農家の収入源になると同時に、地域のエネルギー自給率を高めていく効果がありそうです。

電力自由化も追い風

道内でバイオマス発電が進む要因の一つとして、電力自由化があります。1995年の電気事業法改正によって電気の卸売が自由化されて以降、段階的に規制緩和されてきましたが、遂に、2016年4月からは一般家庭向けの電力小売にまで広がりました
 
この間に発電技術も進歩し、バイオマス発電も商用レベルにまで達しました。農業の六次産業化と言うと、農産物から食品というイメージが強かったですが、これからは農家が農産物と一緒に電気も生み出していくというビジネスモデルが生まれてくる可能性も秘めています。
 
「道銀アグリビジネスファンド」の出資判断、「御影バイオエナジー」の動きは今後の農業の六次産業化を占っていく上での試金石となりそうです。

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