HOME > 記事一覧 > 地域ニュース > 北海道内におけるコンピューター制御を活用した「植物工場」の展開事例を紹介
北海道内におけるコンピューター制御を活用した「植物工場」の展開事例を紹介2016.05.24(火)

北海道内の農家では、IoT(モノのインターネット)の活用を通じて生産性の向上に積極的に取り組みが広がっていますが、植物の分野においても、コンピューター制御などによる栽培技術を導入した「植物工場」が広がりつつあります。
 
今回は、「植物工場」の概要から実際の栽培事例とともに見ていきます。
 

植物工場とは

「植物工場」とは、農産物の生産に必要となる温度、光などの環境条件を施設内の自動制御装置によって最適な状態に保ち、播種から収穫、出荷調整までの一連のプロセスを周年計画的に行う生産システムのことを指します。
 
製造業で培われた工場管理のノウハウを農業分野に応用したものであり、天候や病害虫に左右されることなく農産物を安定供給できるといったメリットがあることから全国的に注目を集めています。
 

都市部でも農産物の生産が可能

「植物工場」は、都市部でも農産物の生産が可能といったメリットもあります。札幌市の「株式会社Gファクトリー」では、札幌市西区のマンション内にLED照明を用いた完全人工光型植物工場を導入し、リーフレタスやサニーレタスを生産しています。
 
都市部や住宅地で農産物の生産から販売までを一貫して行う都市型植物工場の好事例と言えます。
 

広大な土地を活かした大規模な植物工場も現れる

_shared_img_thumb_ELF93_mogitateichigo_TP_V
いちごのイメージ写真(出典:ぱくたそ)

北海道内に広まる植物工場ですが、都市型植物工場だけではなく、広大な土地を活かした大規模な植物工場も現れ始めています。
 
2014年3月に「清水建設」や「富士電機」、「北洋銀行」、「苫小牧信用金庫」などの共同出資で設立された苫小牧市の「苫東ファーム」では、コンピューター制御の高度栽培技術を導入した温室や木材チップボイラーといった植物工場としての最先端施設を整備して「すずあかね」「とちおとめ」「べにほっぺ」といったイチゴを栽培してきましたが、今年になって新たな栽培施設を建設し、施設面積を従来の2ヘクタールから4ヘクタールへ拡大する計画をあきらかにしました。
 
2016年8月頃の完成を予定しているとのことであり、早々にクリスマス向けイチゴの苗の定植作業を行い、2017年度から北海道外の洋菓子メーカーへの本格出荷を始めていく計画です。また、2016年度は、170トンの生産目標を掲げており、従業員も20人体制から40人体制に拡大していく方針であり、雇用効果も期待できそうです。
 
苫東ファームの出資者である「清水建設」、「富士電機」では、釧路市においても植物工場の展開を進めており、釧路市から賃借する約3万㎡の土地に大規模な太陽光利用型植物工場を整備、本年中にもパプリカの出荷を始めるべく準備を進めています。これからの北海道の農業は広大な土地で高度な生産性を達成していくことが鍵となっていきそうです。

関連記事