就職情報などの人材業務や出版業務、情報ポータルサイトなどメディアを中心に事業を展開している毎日新聞系列の株式会社マイナビ(旧株式会社毎日コミュニケーションズ)は、コールセンター事業に参入に伴い、札幌に事業拠点を開設する方針であることを明らかにしています。
企業からコールセンター業務を請負う
今回マイナビがコールセンター業務を行うのは、主に企業からコールセンター業務を請負う形で事業を展開します。コールセンター業務を行うのは、マイナビの子会社である「マイナビコンタクトサービス」が行います。
同社は2016年10月3日に設立した会社で、消費者からの商品やサービスなどの生の声をヒアリングして分析して企業に提供するマーケティングリサーチに関する事業も展開しています。
コールセンターでは、従来型の電話での対応に加え、メールやSNSによる問い合わせの対応も可能で、インターネットサービスが拡大する中、あらゆる手段によるサポート業務を事業者から請け負います。
オペレータ約240人配置。同社の中核拠点に
マイナビがコールセンター事業を展開するにあたり、拠点となる札幌のコールセンター「札幌センター」は、オペレータ約240人を配置できる中核拠点となる予定です。
札幌センターが本格稼働することにより、近年需要が増加しているコールセンターのニーズに応えるべく、札幌市における雇用の増加や人材育成などにつながることに期待できます。
コールセンター市場規模は2018年には8831億円を予想
近年では、コールセンターなどのサポート業務を他社に委託する動きが広がっています。その背景としては、サポートにかけるコスト削減だけではなく、スタートアップ事業やインターネットサービスなどの台頭でサポートにかけるコストも低コストで運用していきたいなど、ニーズの多様化にあります。
矢野経済研究所の調べによると、コールセンター市場規模は2015年度では8,390億円に対し、2017年は8,670億円、2018年には8831億円までに拡大することが予想されるとしています。
さらに、コールセンター業務も人工知能(AI)を活用も広がると予想され、サポートのニーズが増加する中、人手で必要としないサポートなどについてはAIを活用したサポートに切り替えるなど、サポート業務に係るコストも大幅に下がっていくことが考えられます。
既に、伊藤忠商事が出資しているコールセンター大手のベルシステム24(東京都中央区)では、AIを搭載したコールセンターシステムを2017年春より外販予定で3年後には売上高50億円を目指すとしています。