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ヤマト運輸が宅配総量抑制を実施。住宅探しは宅配ボックスの設置がポイントに2017.03.07(火)

宅配便大手のヤマト運輸が宅配総量抑制を実施することを同社の労働組合と合意したことが明らかになりました。

ネット通販の利用者拡大など宅配便の量が増加したことで、人手不足などで長時間労働につながる中、労働環境を改善するためにも、宅配便総量抑制を実施していく方針です。

ネット通販利用者急増で宅配便需要が増加。人手不足や長時間労働に

近年では、今まではパソコンユーザーが中心に利用されていたインターネット通販ですが、スマホやタブレットが普及したことで、誰もが気軽にインターネットへアクセスが可能になったことから、インターネット通販の利用者が急増したことで、宅配便の需要が増えています。


ヤマト運輸の宅配便取扱数(筆者作成)

2017年2月23日付の日本経済新聞電子版の記事によると、ヤマト運輸は宅配便のシェアは1位で、46.7%と約半分を占めています。同社の宅配便取扱数は2006年は約29億個なのに対し、2015年度は約36億個、2016年は約38億個と増加傾向にあるとのことです。

この様な状況の中、長時間労働で休憩時間が十分に確保できない状況や一部地域への配達遅延などにつながっています。

配達料の値上げや時間帯指定などの見直しが予想される

人手不足などで長時間労働や配達遅延となる中で、需要に対応すべくアルバイト採用や外部委託先に業務を協力してもらうなどで、人件費が増加するという経営問題にもつながっています。2017年3月期の決算予想では手元に残る純利益は昨年の14%減の340億円になるなど、利益減少に陥る状況となっています。

2017年3月7日付の日本経済新聞朝刊の一面では、27年ぶりに全面値上げするとしており、既にアマゾンと交渉に入っているとしています。また、再配達の有料化なども含めて検討していることから、今後は、消費者側にもその負担が発生することも十分に考えられます。

今後の家探しは宅配ボックスの設置がポイントに

ヤマト運輸の宅配総量抑制を受けて、消費者側としても再配達を少なくするなど、宅配業務が効率的にできるように配慮することが求められることから、今後の住宅探しのキーポイントとしては、宅配ボックスの設置有無がポイントになっていきそうです。

一部のマンションなどでは、既に宅配ボックスが設置されている物件も存在していいるものの、完全な普及には至っていないのが現状です。

パナソニックエコソリューションズ社が福井県あらわ市で2016年11月から実施した宅配ボックスの実証実験では、宅配ボックス設置前の再配達率が49%であったのに対し、設置後は8%まで減少するという結果が得られています。

既に、パナソニックが戸建てやマンション向けに宅配ボックスを販売する事を明らかにしている他、ポスト大手のナスタと大和ハウス日本郵便が共同で宅配ボックスを開発することを明らかにしています。

今後は、マンションやアパートオーナーにとっても、入居率を上げるためにも宅配ボックス設置の検討が望まれそうです。

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