7月1日に中小企業等経営強化法が施行されました。中小企業・中堅企業の生産性向上を促す施策が多く盛り込まれていますが、これらの施策の活用にあたっては認定支援機関のサポートが重要になってきます。一方、北海道内には567の認定支援機関がありますが、そのコンサル力には差があるのも事実です。
ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金の採択実績から分析
中小企業が認定支援機関に期待するもののひとつとして、補助金などの公的支援施策の申請サポート機能があります。補助金によっては、認定支援機関の支援確認書を添付することが必須条件となっているものもあるところです。6月7日に採択発表された「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」もそのひとつです。今回は、ここから認定支援機関の働きぶりを分析していきます。
北海道内での採択件数は249件ですが、これらの採択案件に携わった認定支援機関の属性は上記図のとおりです。金融機関系の認定支援機関によるものが多数を占めていることが一目瞭然です。資金計画などの作成には金融機関の協力が必要不可欠ということかもしれません。
北海道内の金融機関で一番コンサル力が高いのはどこか?
補助金の申請にあたっては金融機関のサポートを受けるのが良さそうですが、メインバンクを明確に決めていない企業の場合は、北海道内のどこの金融機関に相談すれば良いのか分からないことも多いです。参考までに、先ほどの「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択案件に携わった金融機関の件数を紹介します。
北海道内の採択案件249件のうち金融機関が携わったのは203件ですが、やはり道内最大の金融機関である北洋銀行の件数が際立ちます。続いて、北海道銀行の45件、商工中金、帯広信金、室蘭信金、北見信金と続きます。図表への記載は割愛していますが、メガバンクは三井住友銀行が1件だけということを考えると、やはり道内に本店がある金融機関に相談するのが良さそうです。
また、道内金融機関でも北洋銀行と北海道銀行の件数が突出していますが、これは道内全域に店舗を有しているというの大きいでしょう。営業エリア・店舗数の差を考慮すると、地域によっては信用金庫をパートナーに選ぶという選択肢も考えられます。特に釧路信金は18店舗しかない中で7件の採択に成功していますので、各店舗でノウハウが蓄積されているものと推測できます。また、帯広信金も経営者向けのセミナーを定期的に開催するなど、経営支援に力を入れていますので、補助金採択決定後のフォローも期待できそうです。