北海道財務局は2019年7~9月度の法人企業景気予測調査を実施しました。調査において道内企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は全産業において2.6ポイントとなり、1年ぶりにプラス転換となりました。米中貿易摩擦など世界的な景気悪化が懸念されているものの、製造業においてはスマートフォン関連製品の生産が増加していることや昨年の地震の復旧工事需要などがプラス影響となりました。
道内427社を対象に法人企業景気予測調査を実施
北海道財務局が2019年8月15日より2019年7~9月度の法人企業景気予測調査を実施しました。
今回の調査では道内の企業473社を対象に調査依頼を行い、回答した企業数は427社となり、製造業では94社、非製造業では333社が回答しました。全体として90.3%の回答率となりました。
調査のデータ抽出方法としては、景況判断指数(BSI)として、現状の景況感が上昇した割合と下降した割合を差し引いて求めます。
全産業の景況判断指数(BSI)は2.6ポイントに
今回実施した2019年7~9月期の景況判断指数(BSI)は、全産業として2.6ポイントとなり約1年ぶりにプラスに転じました。
2019年4~6月期の景況判断指数(BSI)は、2019年6月18日の記事で紹介している通り、0.0ポイントでありましたが、昨年に比べて2.6ポイント上昇したことがわかります。
2019年4~6月期は2019年1~3月度に比べて13.1ポイント上昇しており、3四半期通期で見ると、全体としては上昇傾向に有ることがわかります。
製造業の景況判断指数(BSI)は、8.5ポイント
製造業における景況判断指数(BSI)は、8.5ポイントとなりました。特に、電気機械や生産用機械、スマホ関連部品の生産が増加したことで、2019年4~6月期に比べ12.8ポイント改善しました。
しかしながら、米中貿易摩擦が長期化してきていることから、世界景気の減速が続くことで、製造業の受注減少などの懸念は多く、今後の先行きについては慎重な見通しを出す企業も多いものと考えられます。
非製造業の景況判断指数(BSI)は0.9ポイントと前回より0.3%減少
非製造業における景況判断指数(BSI)は、0.9ポイントとなり、2019年4~6月期に比べ0.3ポイント減少しました。
特に近年、日韓関係が悪化していることで、韓国人観光客を中心にキャンセルが出て来ている他、日韓を結ぶ航空便の欠航いも増えており、今後も更に韓国人観光客の減少を懸念して、飲食サービス業や宿泊業を中心に景況感を低く見積もっていることが伺えます。