北海道は冬期になると積雪が厳しくなり、自動車における交通環境が大変厳しくなります。自動車業界において、自動車の電動化や自動運転の実現に向けた開発が進んでいる中、道内でも寒冷地に適した電気自動車(EV)や自動運転車の開発が進んでいます。
西野製作所らは寒冷地使用のEV「ネイクル」を今年4月に発売
西野製作所(室蘭市)などの道内中小企業10社で構成したコンソーシアムは、寒冷地の使用に適した電気自動車「ネイクル」を今年の4月に発売開始することを明らかにしています。
ネイクルについては、2017年10月31日付けの記事で詳細を記載していますが、トヨタ自動車の小型EV「コムス」を寒冷地仕様に改造したものです。乗車人数は1人で、バイクと同様の感覚で公共交通機関が少ないエリアや、一般自動車が入りにくい路地や農道などのでも利用することができます。
4月には自治体や道内企業を中心に販売し、個人にも販路を拡大していくとしています。
札幌モーターショー2018ではネイクルの二人乗り版を公開
4月にいよいよ販売が予定されている寒冷地仕様の小型EV「ネイクル」ですが、2018年1月19日より開幕した「札幌モーターショー2018」では、早速二人乗りに対応した「ネイクル・タイプ3」を公開しています。
ネイクルは1人乗りであるため、バイクの代替えとしての利用が想定されますが、複数人での移動も当然想定されることから、今後のラインナップの拡大も望まれます。
既に、北見通運(北見市)がネイクル・タイプ3の発注をしており、第一購入者となる見込みです。同社は輸送業を営んでおり、ネイクルタイプ3の購入で、積雪時の安全輸送を実現できることに期待できそうです。
北海道大学らが積雪時に特化した自動運転車を開発
北海道大学と車載ソフトウェア開発の「ヴィッツグループ(愛知県名古屋市)」、自動車部品アイシングループ(愛知県刈谷市)を含むカーナビソフトウェア開発「エィ・ダブリュ・ソフトウェア(札幌市)」、ヤマハ発動機(静岡県磐田市)で作るワーキンググループは18日に、積雪時に特化した自動運転車の開発に着手することを明らかにしています。
積雪時は、道路標識や道路境界線などが雪で覆われる状況は発生することから、自動車運転がしづらい課題がありましたが、こういった状態でも、北大が開発する周辺の地形情報を合わせて、GPSやセンサーなどを合わせることで周囲の路面状態や障害物を識別して走行可能にします。
自動運転車の開発は、ヤマハ発動機のオフロード車を改造する形で行われ、2020年までに走行可能距離を30キロメートル以上を実現したいとしています。