函館税関が2017年5月22日に発表した「北海道外国貿易概況(速報)」において、2017年4月の輸出額は前年同月比2.1%増、輸入額は前年同月比49.5%増加しました。一方で、輸出入差引額は632億650万円の赤字となったことを明らかにしています。
輸出額は347億990万円と前年同月比2.1%増加
2017年4月の輸出額は前年同月比2.1%増の347億990万円となり3ヶ月連続でプラスに推移しました。
輸出額が増加した要因としては、船舶や石油製品、魚介類などが増加したことが寄与しており、船舶による輸出額は26億420万円で前年同月比5.9倍、石油製品は11億160万円で4.2倍、魚介類は47億250万円と121%それぞれ増加しました。
一方で、自動車部品や一般機械、電気機器などの輸出が減少し、自動車部品は61億550万円で36億260万円減少し10ヶ月連続で減少しました。一般機械は38億870万円で8億180万円の減少、電気機器は11億720万円で減少額は6億700万円となりました。
輸入額は971億640万円で前年同月比49.5%増加
2017年4月度の輸入額は前年同月比49.5%増の971億640万円となり、4ヶ月連続でプラスとなりました。
輸入額の増加を牽引したのは、石油製品や原油・粗油、石炭などが増加したことが上げられます。一方で、ウッドチップや木材、米などは減少となりました。
石油製品は131億470万円で前年同月比3.4倍、原油・粗油は248億700万円で148.2%増、石炭は94億200万円で165.1%増となりました。一方で、ウッドチップは8億690万円で47.5%減少し、木材は15億480万円で71.8%減少、米は5億300万円から全滅となりました。
輸出入差引額は623億650万円の赤字
原油価格の推移(出典:世界経済のネタ帳)
輸出額から輸入額を差し引いた輸出入差引額は623億650万円の赤字となり、前年同月では309億180万円より約2倍程度の赤字額となりました。2016年後半より、OPECの減産合意が行われたことで、原油価格が上昇したことが影響し、石油関連の価格が上がったことが輸入額を押し上げたことが大きく影響したことが考えられます。
特に、北海道では冬期は暖を確保するために石油は重要なエネルギー源であることから、原油価格の上昇は輸出入差引額が赤字で済むだけではなく、経済へのマイナス影響を及ぼします。今後は原油価格に左右されない仕組の構築が望まれる他、近年では地球環境の保護の観点からクリーンエネルギーへの段階的な転換も今後のテーマとなりそうです。