北海道札幌市に本社を置く、自動ドア開閉装置の販売と保守を手がけるフルテック株式会社が東京証券取引所第2部に2017年3月22日に上場しました。
同社の公開価格は600円で、初値は2.1倍の1230円となり、買いと売りが交差した後、終値は985円と公開価格の1.6倍となりました。
フルテックの自動ドアは北海道と東北ではシェア50%
フルテックが手がける自動ドア開閉装置は、地盤である北海道と東北でシェア50%を誇ります。北海道から関東まで35支店と営業所を構えており、アフターサービスへの強みを持っています。
ただ、首都圏など関東地方ではのシェアは12%前後となっていることから、今後の開拓の余地が大きいのが現状です。
同社の古野重幸社長は、2020年に開催を予定している東京オリンピックに合わせて、不動産開発が進んでいることに加え、ドアの受注案件の獲得や、オリンピック関連の施設などの案件など、需要が増えるとしており、20年までには関東地方でのシェアを15%まで高めたいとしています。
自動ドアの保守などストック型ビジネスが50%を占める
同社は、自動ドア販売に加え、自動ドアを安全に稼働させるための保守業務も合わせて行うストック型ビジネスが50%を占めていることから、新規顧客の開拓だけではなく、既存の顧客から保守業務を定期的に受注できることから、安定的に高い収益が維持できるのが特徴です。
2016年12月13日の記事で記載しているように、札幌駅周辺では2030年の北海道新幹線延長に向けて、不動産開発が進んでいることから、道内でも新規案件の受注に期待できることから、新規案件だけでも更なる収益向上に期待できると言えそうです。
また同社では、オフィスの入退室管理やセキュリティーゲートなどのセキュリティシステムも手がけており、近年、物理的な防犯だけではなく、情報漏洩対策として情報セキュリティ対策など、オフィスビルを中心にセキュリティ需要が高まっていることなどから、市場の伸び余地が高い、セキュリティ分野においても注目されそうです。
2017年3月期の配当は1株22円。配当性向30%
東京証券取引所第2部に上場したフルテックですが、2017年3月期の配当金の予定金額も明らかにし、1株あたり22円を予定しているとのことです。
配当性向は30%で、2017年3月24日時点での予想配当利回りは2.13%となっており、同社の継続して高い収益力を確保できることを考えると、今後の株価上昇に加え、増配などにも大いに期待できることから、大きな利回りを確保できることにも期待できそうです。
同社では、上場を機会に投資家や株主から得た資金を活用し、既存事業の商品開発に充てる他、新たな事業提携やM&A(吸収合併)、人材育成などに活用していきたいとしています。