ソフト開発の「イー・カム・トゥルー」と人材派遣会社の「エスプール」は、システム開発や人材採用に係る業務提携を行うことを明らかにしました。
今回の業務提携では、エスプールがソフト開発拠点を開設するに伴い、両社のシナジー効果を生み出すことで、IT技術者の育成や雇用拡大に期待できそうです。
イー・カム・トゥルーとエスプールが提携
札幌を拠点に飲食店向けのシステム開発を提供する「イー・カム・トゥルー」は、人材派遣会社の「エスプール」と提携し、システム開発や人材採用における業務提携を行います。
今回の両社の提携で、札幌を中心に知名度があるイー・カム・トゥルーをテコに、エスプールは技術者の採用を拡大する他、システム開発のアウトソーシングサービスを拡大していきたい考えです。
札幌に開発拠点を開設し30人規模の採用を計画
エスプールは、札幌にソフトウェア開発拠点「札幌テックセンター」を開設し、同社の拠点で使用する人材派遣関連のクラウドサービスの開発を行います。このプロジェクトの始動に伴い、ソフトウェア開発技術者の採用を今後2年の間に30人規模に増やしていく方針も明らかにしています。
また、人材の新規採用の他、技術指導などソフトウェア開発のノウハウを提供するために、イー・カム・トゥルーは社員を札幌テックセンターに派遣します。
札幌は、IT産業の振興に取り組んでいることから、IT関連企業が多く拠点を構えていることや、若年層のIT人材の育成など積極的な取り組みを行っていることから、札幌はIT産業の集積地としての地位を固めています。
この様な背景もあり、今回ソフトウェア開発拠点を開設することで、IT技術者が豊富な札幌の強みを活かし技術者を多く採用し、将来的には、あらゆるものがインターネットにつながるIoTや人工知能(AI)など、ソフトウェア開発の需要が高まっていくと予想される中、エスプールの事業ポートフォリオとしてソフトウェア開発受託など、アウトソーシングサービスの裾野を広げていく狙いがありそうです。
イー・カムトゥルーとエスプールの会社概要
イー・カムトゥルーは、札幌市中央区に本社を置き、主に飲食店や理髪店など店舗向けにクラウド型の売上システムを提供しています。従業員数は27名で売上高は2億4636万円で、2014年に東京証券取引所TOKYO PRO Market(プロ投資家向けの市場)に上場しました。
エスプールは、東京を拠点に全国に人材派遣サービスを提供する人材派遣会社です。人材ソリューション事業として店頭販売や事務、技術者の派遣サービスに加え、ビジネスソリューション事業として業務を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。また、障害者雇用の育成など、多用な人材を確保し活躍できる仕組みを提供しています。売上高は2015年には72億円を誇り、増収を維持しています。