北海道帯広市を拠点に事業活動を展開しているエアシェアが小型航空機のシェアリングサービスを2019年10月よりはじめることを明らかにしています。
航空機の所有者と利用したい人を仲介することで空路が無い場所でも全国どこでも好きな目的地に飛んで移動できるサービスです。
小型飛行機のシェアリングサービスの提供を目的に2016年に設立
今回、小型飛行機のシェアリングサービスを提供するエアシェアは、小型飛行機のシェアリングサービスの提供を目的に2016年に設立した会社です。
進藤鋳造鉄工所の取締役を努めている進藤寛也氏が代表取締役を努めます。自ら小型航空機の自家用免許を所有していることから、空路で好きなときに好きな場所に移動できるようにしたいとの思いから、小型航空機の所有者と旅行者、パイロット資格保有者をマッチングするウェブサイトを立ち上げました。
エアシェアは帯広信用金庫が始めた起業家育成プログラムの第一期生として参加した他、公益財団法人とかち財団のアーリーステージ事業者支援の採択事業者として選ばれました。
インターネットで旅行者と航空機の所有者、パイロットを仲介
2019年10月より開始予定の小型機シェアリングサービス「エアシェア」は、インターネットで航空機を使って移動したい旅行者と、飛行機の所有者、パイロットを仲介します。
旅行者はサイト上で搭乗する人数や日時、目的地、機材、パイロットを選びます。その中からパイロットと飛行機所有者の上限が合致すればフライト成立となり、空路での移動が可能となります。
今回想定している小型飛行機は、4人から6人程度が搭乗できるプロペラ機やヘリコプターを想定しており、移動時間1時間で5万円から10万円の運賃を想定しています。
一方で、空路となると運行の可否が天候に大きく左右されやすいデメリットがありますが、万が一悪天候などでフライトが決行となった場合は、エアシェアがその運賃を補償するとしています。
日本における空路移動手軽さの提供とパイロット不足解消など新ビジネスとして期待
エアシェアによる小型飛行機シェアリングサービスは、現時点で30人程度のパイロットを確保しているとしています。通常パイロットとなると、大手航空会社に就職してパイロットを行うことが一般的ですが、大手航空会社がであれば一人前のパイロットに成るには飛行時間が500~1,000時間が必要とされており、豊富な経験が求められます。
そのため、単純にパイロットの免許を所有しているだけでは、航空会社のパイロットとはなれず、免許を持っているが、それを活用されずに眠ったままの状態も多いとされています。
近年ではパイロット不足も指摘される中で、条件の緩和なども議論されつつありますが、せっかく保有している免許を有効に活用するためにも、今回のシェアリングサービスの活用も選択肢の一つとなりそうです。
さらに、航空会社が設定している空路以外の移動も可能になるなど、今回の小型飛行機のシェアリングサービスを通じて、国内でも空路移動が気軽にできるようになることや、新たなビジネスの創出にも大いに期待できそうです。