函館市は2017年5月24日に、2016年度に函館市へ観光目的で訪れた人数を発表しました。同市が公表した「平成28年度来函観光入込客数推計」の資料によると、約560万7000人となり、前年と比べて13.3%増加し過去最高を記録したとしています。
2016年3月26日に開業した北海道新幹線などの効果もあり、本州からの鉄道アクセスの利便性が向上したことが寄与しました。
函館市への観光客数は過去5年連続増加
今回、函館市へ観光目的で訪れた人数は約560万7000人となり過去最高を記録しましたが、過去5年間を振り返ると、観光客数の推移は右肩上がりで5年連続して増加しています。
函館市観光客数推移(函館市のデータを元に筆者作成)
2012年は450万1000人で前年比9.6%増加し、続いて2013年は481万9000人、2014年は484万人、2015年は497万7000人となっています。
約5年前はアベノミクスが始動し、景気政策が行われる中で為替が円安に推移したことで訪日外国人観光客が増加したことも観光客数が増加に寄与したことが考えられます。特に、北海道は台湾をはじめ、マレーシアやインドネシアなど東南アジア諸国からの人気が高く2016年度においても、外国人観光客数は約40万5000人と前年度に比べて1.9%増加しています。
函館市への利用公共交通機関はJRが大幅増加
函館市へ観光に訪れる際に利用した公共交通機関は、北海道新幹線の開業効果もあり、JRの利用が大幅に増加し、138万1800人と前年度に比べて38.3%と大幅に増加しました。
2017年3月31日の記事「北海道新幹線開業による経済波及効果は約200億円!」で記載していますが、北海道新幹線が開業したことによる経済効果は約200億円で、函館市内の宿泊施設や観光施設の利用者も増加している状況です。
その他、道内地域などからバスを利用して訪れた方が239万3800人と前年比10%増、乗用車が前年比6.7%増の91万2400人、飛行機が6.2%増の65万7300人、船舶が12.2%増の26万1600人となりました。
更なる観光客数増加に期待!
格安航空会社ピーチ・アビエーションの飛行機(大阪府泉佐野市:筆者撮影)
観光客数が連続して増加している函館市ですが、今後も引き続き観光客は増加傾向を維持していくと予想されます。その牽引役となるのが訪日外国人観光客で、日本政府は2020年には訪日外国人数4000万人の目標を掲げていることに加え、北海道新幹線の2030年を目標に札幌への延長などから、道内からの観光客の流入も見込めます。
さらに、北海道新幹線だけではなく格安航空会社(LCC)が新千歳空港と函館空港へ就航するなど、お得な運賃で来道が可能になる事に加え、2017年5月23日に記載したピーチ・アビエーションが北海道観光の人気が高い台湾の台北線へ就航を予定していることに加え、エアアジアなどの東南アジア勢のLCCも北海道への就航拡大を進めており、中所得層や生産年齢が増加するアジア地域の観光ニーズを取り込むことにも十分に期待できます。