いよいよ開通予定日まで300日を切った北海道新幹線ですが、この日を気に、新幹線が北海道に住む私達にいったいどの様な影響を及ぼすのか。
新幹線開通によって、北海道内の人間にいったいどんなメリットがあるのか?
また、予測できるデメリットとは?
そして、ビジネスチャンスはどこにあるのか?
今回は北海道新幹線について取りあげてみたいと思います。
■北海道新幹線開通のメリット
・東京~札幌間を5時間で走行。
北海道新幹線は最高時速320キロ札幌と東京の間をおよそ5時間程で走行すると言われています。東北地方へのアクセスにはフェリーよりも速く、わざわざ飛行機に乗らなくて良い点が重宝されるでしょう。
・吹雪でも走行可能
現在、本州と北海道を結ぶ移動ルートは飛行機とフェリーの2つしかありませんが、どちらも吹雪による視界不良に弱く、冬場の遅れや欠便に悩まされた経験のある人も多かったかと思われます。
しかし、新幹線は視界不良にも強いため、冬場の本州への移動は飛行機よりも確実な手段として重宝されるでしょう。
・観光客の増加
本州から飛行機でしかこれなかった北海道が新幹線で結ばれた事により、より多くの観光客が訪れる事が予想されます。
新幹線の停車駅は木古内、新函館北斗、新八雲、長万部、倶知安、新小樽の6つであり、この各駅に本州からの旅行客がやってくる事が期待されます。
特に観光客が減った事で財政難を余儀なくされている小樽にとって、新幹線の開通に掛ける思いは相当強い様子。
また、今まで交通のアクセスが悪く、観光客を呼び込めなかった余市、仁木町、古平、積丹町なども、新小樽駅を起爆剤として観光客を呼びれたいとしています。
■北海道新幹線開通のデメリット
新幹線が開業される事により、地方都市や東京に集まってしまう事が懸念されています。
北海道内で経済が回っていたのは、実は交通の便の悪さのおかげでした。
しかし、新幹線の開通によって交通インフラが整いはじめると東京や札幌に買い物に出かける人間も増えてくるため、地方からどんどんと都市部に人やお金が流れはじめる事が予想されます。
・寝台特急の廃止
かつて、北海道旅行の定番として多くの人々に愛されている寝台特急『トワイライト・エクスプレス』『北斗星』『カシオペラ』のいずれも廃止される恐れが出てきています。
・観光客増加は一時的なもの
いままで、新幹線が開通した事によって観光客が増加したと言われる青森、長野ですが、どちらも新幹線の開業から一年以内は増加傾向にあったものの、2年目以降に現象、その後はイベントごとに一時的に新幹線の利用者が増加するものの、観光客の数そのものは増加していません。
つまり、新幹線を開通させたからといって、観光客が増えるのは最初だけであり、結局は観光地の魅力がなければ、ユーザーを増やす事はできないのです。
東北地方と北海道が近くなる?
北海道新幹線の開通によって最も変わるのは、東京~札幌間ではなく、東北~北海道間の交流が頻繁になる事かもしれません。
海を隔てた隣り合う北海道民と東北県民は、今まで飛行機やフェリーを利用して移動するのが一般的な移動手段でした。しかし新幹線の登場によって、両者の行き来が活発化する事が期待されます。
観光客にしても、都心部の人間ではなく東北地方から来る人間や、北海道民が東北地方に観光に行く人間が増える点に新たなビジネスチャンスを見出す事ができるかもしれません。