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道内の交通機関で貨客混載による貨物運送が広がる!地方路線の維持に期待2020.04.07(火)

道内で公共交通機関を利用して貨物を運送を行う貨客混載によるサービスが広がっています。人口減少などで公共交通機関の利用者が減少するなど、収益確保が難しく自治体からの交付金を頼りに運行している交通事業者も多い中、貨物事業者と提携して、既存の路線網を利用して貨物を運送することで地方路線維持につなげていきます。

佐川急便は北海道新幹線を利用した宅配サービスの検証を開始

宅配大手の佐川急便は、JR北海道の北海道新幹線の旅客用車両の空席を活用した貨物輸送の検証を2020年4月から行うことを明らかにしています。

これまで、本州から道内にはフェリーを使って輸送していましたが、新幹線を利用することで約半日で道内に荷物を届けることが出来るとしています。

輸送を行うに当たり、前日の予約状況を確認した上で、空席を4~6席確保し、190センチの専用ケースに荷物を入れた上で座席に乗せて運びます。

新幹線による貨物運送については、貨物新幹線構想は東海道新幹線で開業当時からあったものの、車両開発や貨物専用駅の整備など課題も多く実現に至っていないのが現状です。今後は地方路線などで小規模な貨物などにおいて貨客混載において実用性を検証した上で、本格展開に向けて準備を進めていくとしています。

北海道占冠村でヤマト運輸が村営バスを利用した貨客混載を開始

北海道占冠村(しむかっぷむら)において、村が運営する村営バスとヤマト運輸が提携して貨客混載による貨物運送サービスを開始します。

道内において村営バスを利用した貨客混載サービスは初めてで、近年低迷している村営バスの収益確保の他、ヤマト運輸の担当運転手の運転時間の削減などにつなげていきます。

これまで、ヤマト運輸の専用トラックが富良野市と占冠村を往復して貨物運送を行っていますが、これを村営バスに切り替え、富良野市内の停留所で旅客と貨物を一緒に乗せて占冠村まで運行を行います。占冠村内の停留所で、ヤマト運輸の担当運転手が荷物を受け取り、各個人宅や企業などに宅配を行います。

貨客混載による効率的な運行は課題、システム面での最適化が求められる

近年、既存の公共交通機関を利用した貨客混載による貨物運送サービスが広がっている背景としては、冒頭でも記載している通り、人口減少などで公共交通機関を利用する方が減少していることや、高齢者など自家用車を所有していない方にとって公共交通機関の維持は必要不可欠であり、旅客や広告収入以外の需要を取り込みを行う必要性が増していることです。

また、運送事業者にとっても近年インターネット通販を筆頭に貨物運送の需要が増える中、運転手の人材不足などが課題となる中、自社だけではなく、他の交通インフラを活用したいという考えもあります。

貨客混載は路線維持を行う上では有力な選択肢でありますが、荷物の出し入れなどに時間を要する、一時的に旅客が増加した時に対応が難しくなるなどの課題がありそうです。将来的に交通プラットフォーム(MaaS)を活用して効率的に需要を把握を行うことで運行や配送を最適化したサービスの活用などシステムを活用した支援にみ期待されます。

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