JR北海道は新型特急車両(261系5000代)「はまなす」の第一編成が完成したことを発表しました。同列車は定期列車として活用する他、観光列車としての活用も視野に入れており、乗って楽しめる設備も充実させています。今回の新車の特徴を解説します。
画像出典:JR北海道ニュースリリース
北海道の花「はまなす」をイメージしたデザイン
JR北海道が新たに公開した新型特急車両261系5000代は、北海道の花である「はまなす」をイメージしたデザインとなっており、先端部分が濃ピンク色に着色されているのが特徴です。運行は2020年10月より開始を予定しています。
これまで、同社が運行していた特急車両は青もしくは緑を基調とした色が採用されていましたが、初の濃ピンク色を採用することで、はまなすという道の花の印象を全面に出すと同時に、道内で走るこれまでの特急列車のイメージが大きく変わりそうです。
JR北海道では、2019年9月10日の記事で紹介したとおり、「山明号」と「紫水号」の2種類の観光列車を公開、また、東急と提携して豪華観光列車も運行を開始しています。経済状況が厳しい中、道の広大な景色などを売りに、単なる移動手段から、付加価値を高め、乗車する楽しみを提供することで、事業回復に向けた取り組みを始めています。
道の花である「はまなす(浜茄子)」は、バラ科の植物で、今回の車両色に採用された濃ピンク色をしたきれいなお花であります。日本国内では北海道に多く咲いている他、千島列島やサハリンを中心に多く咲いています。
1号車は木材を活用したフリースペースや多目的室件個室を完備
画像出典:JR北海道ニュースリリース
観光列車としての活用を想定して、1号車ではフリースペースと多目的室兼個室、販売カウンターを設置しています。
フリースペースでは、木材を活用したテーブルと椅子を配置し、対面で食事ができる他、カウンター席では北海道の広大な景色を楽しむことができます。イベントなどでの活用なども想定しています。
多目的室兼個室では、2名で利用可能な掘りごたつ式の個室となっており、2人でゆったりと移動を楽しみたい場合に快適に利用できるよう設計さています。
また、地域の特産品などを販売する販売カウンターを設けており、移動中でも地域の特産物を使った軽食などを購入することができます。
2号車から5号車は普通席を配置、対面でもテーブル利用が可能
画像出典:JR北海道ニュースリリース
2号車から5号車は普通席となり、2列2列の配置となります。また、座席を回転して対面式にすることも可能で、複数人での移動でも楽しく会話が可能です。
また、これまで対面式にするとテーブルの利用ができないケースもありましたが、テーブルは肘掛けに収納する形式を採用しており、対面でもテーブルの利用が可能となっています。
一方で、普通席の上位席であるグリーン車の用意はありません。