前回と前々回において、中古マンションを購入するときのチェックポイントとしてお金と建物について触れました。
今回のチェックポイントはずばり「人」です。
この人というのは、前回と前々回に触れたお金と建物とを管理・運用するその主体(当事者)ということになります。
ここで言う当事者とは、すなわちこれらのお金と建物とが誰のものであるかということに関わってきます。
それは、ここまでこのシリーズのコラムを読んで頂いた方々には既にお分かりかと思いますが、マンション管理組合であり、もう少し言いますとその管理組合からマンションの管理業務を委託されている管理会社とも置き換えることができるように思われます。
修繕積立金を適正な金額に設定するのも、必要な工事とそうでない工事とを峻別して、適正に建物の予防保全を行っていくのも、その決断を行う人があってのことになります。この決断を行う主体となるのは、管理組合そのものであり、マンションの管理に関する助言等を管理委託契約に基づいて行うのが管理会社となります。
管理組合は組織ですので、その運営はスーパーマンが一人で運営できるものではありません。従って管理組合が組織として機能し、マンションを適正に管理しているかどうか、管理組合の運営活動の状況確認を行っておくと良いでしょう。
では、管理組合の活動状況はどのようにして確認することができるのでしょうか。
これは重要事項説明の中には含まれてはいません。管理組合の最高意思決定機関は総会であり、管理組合の業務執行機関は理事会です。
マンションの管理に関する重大な決定がここでなされることになります。
そしてこれらの会議の議事の要領は議事録に記載されています。管理会社に頼んでこの議事録を閲覧させてもらうなりして、管理組合の活動状況をチェックするという方法があります。
それを読めば、マンションの管理についてしっかりと議論を行って、そのあり方の検討を行っている管理組合なのか、それとも管理会社任せで、全く機能していない管理組合なのか、一目で判断ができると思われます。
面倒と思われるかも知れませんが、数千万円から場合によっては数億円を超す高額な買い物ですので、出来る限りの情報を収集しておくことをお勧めします。