ドラッグストアを展開しているツルハホールディングス(札幌市東区)は、2016年9月末に閉店したセブン・アンド・アイホールディングス傘下の西武百貨店旭川店跡地のA館が立っていた土地の一部を取得することを明らかにしており、ドラッグストアの出店を予定する他、複合施設としての再開発を行う方針であることを明らかにしています。
旧西武百貨店旭川店跡地A館の一部を取得
ツルハホールディングスが取得するのは、旧西武百貨店旭川店のA館跡地で約3,200平方メートルの内、約7割の2,200平方メートルを、旧A館の土地と建物の一部を保有してたセブン・アンド・アイホールディングスから取得するとしています。
A館の建物は解体作業が完了後、新たな建物を建設し1階部分に同社が展開しているドラッグストアを誘致する方針としています。それ以外についは複合施設としての開発を検討しているとしていますが、具体的な再開発の概要は決定しておらず、今後内容を詰めていくとしています。
旧西武百貨店は、JR旭川駅前の一等地であることから、地域活性化を目指していく上では、空き状態を放置せずに早急な有効活用が望まれます。
旧西武百貨店旭川店B館は前田住設が取得
旧西武百貨店旭川店は、A館とB館に分かれており、旧B館部分と、旧A館の残りの部分については、旭川市を中心に不動産事業を展開している前田住設が取得しています。
同社は、訪日観光客の増加に伴ってホテルを誘致する構想を描いており、残りのA館部分と一体となった再開発を目指していますが、具体的な計画については今後詰めていくとしています。
セブン・アンド・アイホールディングスは旧B館の土地と建物は所有しておらず、あくまでも賃借契約を行った上で店舗展開をしていたことから、同社は地権者より直接土地と建物を取得しています。
ツルハホールディングスの創業の地である旭川の発展に寄与
ツルハホールディングスがドラッグストアを創業したのは、1929年5月に旭川市に鶴羽薬師堂として創業したのが始まりで旭川市は同社にとって産声をあげたゆかりのある場所となっています。
同社は、今回の旧西武百貨店A館跡地の再開発に加え、JR旭川駅前の異なる場所においてホテルを誘致した商業施設を建設しています。創業の地で2つの再開発を行うことで、地元での事業強化に加え地域の活性化にもつなげていく狙いがありそうです。
今回の旧西武百貨店A館跡地についても旭川市を代表する複合施設が建設されることに期待すると共に、旧B館跡地の活用についても今後の動向にも注目していきたいところです。