新札幌駅周辺の札幌市の市営住宅団地跡地の再開発を巡って、大手総合スーパー(GMS)のイオンが再開発で名乗りを上げていることが明らかになりました。
同地区はJRを始め、札幌市営地下鉄東西線が乗り入れているなど交通の便が良く、副都心としての機能を果たしていることから、交通を接点とした街づくりが進められています。
新札幌地区再開発事業の概要
札幌市青少年科学館(出典:さっぽろ観光写真ライブラリー)
今回、札幌市が再開発を計画している新札幌地区の再開発事業は、札幌市厚別区の新札幌駅周辺の市営住宅団地跡地を再開発するものです。
市営住宅は1970年台に「市営住宅下野幌団地」として建設されましたが、2017年現在は建物の老朽化に伴い、入居を中止し建物を閉鎖しており、2017年4月頃までに建物の解体工事を完了させる計画です。
再開発の対象は新札幌駅の東に位置する「I地区」と西の青少年科学館近くに位置する「G地区」の2箇所で、I地区は商業を中心とした街づくりを目指している一方、G地区は近隣に青少年科学館など文化敷設、教育施設があることから、文化・教育中心の街づくりを目指しています。
新札幌駅周辺は札幌の副都心として交通の利便性が良い
札幌市営地下鉄車両(出典:さっぽろ観光写真ライブラリー)
新札幌駅は、厚別区の中心として、また、札幌市の副都心として発展してきました。同駅周辺は元々、日本国有鉄道(現JR北海道)の農場と陸軍の厚別弾薬庫がありましたが、戦後になり国鉄と自衛隊から札幌市に土地を譲ったことから、市が「新札幌副都心」として再開発を行いました。
再開発に伴い、現在の新札幌駅が開業したのを皮切りに、商業敷設や札幌市が開発したひばりヶ丘団地など、商業地区と居住地区が融合した都市に生まれ変わりました。
新札幌駅は、普通列車以外にも特急列車など全ての優等列車が停止することや、札幌市営地下鉄東西線の終着駅であり、交通の利便性が良いことから、交通を接点として街づくりが求められます。
イオンは健康や美容をコンセプトにコト消費関連のGMSを計画
今回、再開発に名乗りを上げているイオンは、同地区で総合スーパー(GMS)の展開を進めていく計画で、食品の他、健康や美容をコンセプトに、コト消費関連の専門店を集約した、体験型のショッピングモールを展開してきたいとのことです。
イオンは、既に新札幌駅に直結している「サンピアザ」にイオン新さっぽろ店を展開しており、昨年の11月から12月にかけて大改装を実施したばかりではありますが、再開発を計画しているショッピングモールでは、体験型を重視しライフスタイルを発信する店舗として住み分けをしていきたいとしています。
現代では、既に日常的に必要なものは行き渡っていることや、人口減少などで消費の拡大が見込めにくいかなか、イオンをはじめ、ショッピングモールでは単純に多くの商品を取り揃えるだけではなく、体験型のコト消費を重視した店舗展開が進んでいます。