札幌へ延長が予定されている北海道新幹線の札幌駅のホーム位置が2018年3月12日に決着しました。
北海道新幹線札幌駅のホーム位置は、既存の在来線ホームの東側に位置し複合型商業施設「ESTA」の北側に在来線ホームとの乗り換え通路を設ける方針です。
今回の新幹線ホーム位置が決定したことで不動産開発なども加速し、札幌駅近隣がより活性化していくことに期待できそうです。
修正東側案で5者が一致
北海道新幹線の延長による札幌駅の新幹線ホームの位置決定にあたり、新幹線を運行するJR北海道や鉄道建設を支援する鉄道建設・運輸施設支援機構、国、道、札幌市の5者で協議を行い、「修正東側案」として5者が一致しました。
修正東側案は、当初では新幹線の線路と立体駐車場など既存建築物との距離が近いことから、多くの課題が出ていたとしていますが、新幹線の中央ホーム幅を縮小する形で対応することで、限られたスペースを有効活用することに加え、コスト削減にもつなげていく方針です。
ホームは、札幌駅南口にある複合型商業施設「ESTA」の北側に改札と在来線の乗り換え通路を設け、創成川通りを跨ぐ形で設置される予定です。
工事費は約645億円を見込む
北海道新幹線札幌駅のホーム設置に伴い、今回修正東側案で決定したのを受けて、当初予定していた総工事費は20億円多い、約645億円になる見通しを示しました。
今回の東側案が決定する前の有力視として検討されていた、現行の駅に併設して新幹線のホームを設置する案では、総工事費が約570億円であり、当初の案に比べると大幅にコストは増える見通しです。
現行の駅に併設する現役案の他、地下駅案も浮上していた
北海道新幹線札幌駅のホームを巡っては、設置場所の協議は難航していました。当初では、現在の札幌駅と併設した形で新幹線ホームを設置する現駅案を第一案として進めていましたが、既にJRタワーを併設した札幌駅ビルがあることから、ホームの設置スペースは無く、設置の為に建物の解体は困難であることや、建物を縮小しても新幹線ホームを設置するスペースとしては不十分であることから現実的には困難とされていました。
その後、今回の案である駅東案も合わせて浮上したことで、現駅案と駅東案の2つで協議される形となりましたが、2017年10月に新たに、札幌駅の地下にホームを設ける「地下駅案」が浮上しました。ただ、地下駅案は建設コストが膨大であることから断念となりました。
2018年2月にJR北海道が今回の修正東側案を提案したことで、JR北海道の島田修社長と札幌市長の秋元氏、北海道知事の高橋氏が指示を表明したことから、修正東側案に落ち着いた形となりました。