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札幌市が国土交通省のスマートシティの先行モデル都市に指定!健康促進と経済活性化を目指す2019.06.04(火)

札幌市は、国土交通省が実施しているスマートシティプロジェクト事業において、2019年5月31日に先行モデルプロジェクトと都市に指定されました。既存の官民データの他、最新のICT技術を活用して都市や地域の課題を解決し、次世代に継ぐ地域活性化を目指して取り組みが始動することとなります。

スマートシティプロジェクト事業とは

国土交通省が実施しているスマートシティプロジェクト事業とは、近年国内で少子高齢化や人口減少、環境問題の深刻化、気候変動などに直面するなか、地域経済の減速など都市や地域における様々な諸課題が増えている中、これらの諸課題に対して、官民が保有しているデータを活用して、最新のICT技術を活用して解決を行い、地域経済の活性化に結びつけるプロジェクトです。

例えば、地域交通事業者の経営が厳しくなる中、ICTを活用してMaaSにおける交通プラットフォームなどを通じて、事業者と直接利用したい人を結び、誰もが快適に移動したい時に利用できる交通サービスの提供、都市において既存の自然空間を活用した都市と自然との共生、省エネルギーの実現、事前災害に強いまちづくり、資源を有効利用し資源循環を促すまちづくりが挙げられます。

今回、国土交通省が2019年3月15日から同年4月24日公募したスマートシティプロジェクトとして、今回の札幌市を含め15地区が先行モデル都市として指定されました。

札幌市は市民の健康促進と同時に地域活性化を目指す

札幌市におけるスマートシティプロジェクトの取り組みとして、スマートウェルネスシティ協議会を発足し、市の中心および郊外を対象に、市民の健康促進と地域活性化を目指すものです。

札幌市は、健康寿命が政令指定都市の中でも低いことが課題となっている他、地域交通の衰退も課題となっています。そのため、徒歩と公共交通機関の利用を中心とした取り組みを行うことで、市民が自然と健康になれるようにします。

厚生労働省のデータによると、政令指定都市における2010年と2013年、2016年の3年次の平均健康寿命(男性)は、静岡県浜松市が73.01ポイントと最も高いのに対して、札幌市は70.54ポイントと、北九州市70.17ポイントについでワーストとなっています。

要因として考えられるのは、積雪などで歩き辛い季節が多いことなどが考えられますが、これらを解消すべく地域交通事業者や商業施設などと提携して移動を促し自然と健康になれることに加え、地域経済の活性化につなげます。

ポイントインセンティブを提供しデータを活用して改善

健康寿命を促進するために、札幌市ではポイントインセンティブを提供し市民に歩くきっかけづくりを提供します。IC乗車券SAPICAを利用し、電車やバスに乗車すると公共交通ポイントの付与を継続する他、歩行による歩行ポイントを合わせて付与を行います。また、これまで地上のみが計測となっていたのを地下にも拡大します。

ポイントの付与と同時に、歩行データなどをビッグデータとして活用し、市民の移動や滞留行動などを算出し都市計画への活用の他、効率的な雪対策の検討、歩きたくなる都市空間の創出、交通プラットフォーム(MaaS)を活用した回遊性の高い移動手段の提供、商業施設など郊外の生活拠点の活性化に役立てます。

2019年度はポイントインセンティブを含めた健康事業の企画を行い、地上と地下における人流データの分析や有効性の評価によるスマートプラニングの実施を進めていくとしています。

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