1月28日、北海道庁と公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)が健康長寿産業の振興に向けた連携協定を締結しました。北海道庁では、昨年12月に「北海道における健康長寿産業振興の進め方」を策定しており、健康長寿産業の促進に向け大きな一歩を踏み出したといえます。今回は北海道庁の健康長寿産業振興に向けた取り組みをご紹介します。
北海道庁とノーステック財団との連携して健康長寿産業を促進
ノーステック財団は、科学技術の振興を通じて北海道の企業・産業・経済の発展を実現していくことを目的とした財団法人です。2001年に設立されて以来、研究開発支援事業や産業クラスター創造活動で様々な成果をあげてきており、北海道経済の振興を図っていく上で重要なパートナーになっています。
このたび北海道庁と締結した協定では、健康長寿分野に係る道産素材及び大学や研究機関等のシーズの事業化の推進や健康長寿産業に関する企業立地の促進について連携していくこととなっています。
ノーステック財団は、「さっぽろヘルスイノベーション’Smart-H’」の事務局も担っており、道内研究機関や企業との人脈を活かした産業振興が期待できそうです。
ヘルスケア産業の誘致や北海道の食資源を活用
北海道庁が昨年12月に策定した「北海道における健康長寿産業振興の進め方」では、以下4つのポテンシャルを踏まえ、新たに健康長寿産業の促進を目指します。
- 豊富でブランド力の高い良質な地域資源
- 医療分野での大学の集積・最先端の研究シーズの存在
- 首都圏などとの同時被災リスクの低さ
- 関連する産業集積
具体的には、医薬品・健康医療機器関連製造業の誘致を目指して大学の研究シーズとのマッチングや健康長寿関連企業のデータベース化・見える化を進めていくほか、北海道の食資源を活かした機能性食品の開発を促進していくとのことです。
健康長寿産業が中長期的な北海道経済の牽引に期待
2016年12月8日の記事「ヘルスケア分野が好調!札証28年3月期第2四半期決算発表」で紹介した通り、札幌証券取引所上場企業の決算発表にも現れています。医薬品・医療機器の販売などといったヘルスケア産業の業績は好調に推移しています。
中北薬品やユニシスが北海道に事業拠点を設けるなど、産業集積も進んでいます。機能性食品などを製造するバイオ企業の売上高も平成11年時と比較すると5倍以上に伸長しており、今後の成長が大きく見込まれます。少子高齢化が進んでいくのを見据えて、「健康長寿」に関連した商品・サービスを提供する企業を育成していくことは、中長期的な北海道経済振興を考える上でも重要と言えます。