札幌市と北海道銀行は2016年10月21日に両社が提携し、市内への就職を後押しする取り組みを実施することを明らかにしました。
若者が就職などを機に首都圏へ転出する傾向が増えるなど、生産年齢人口が減っていることから、今回の取り組みより、若者の地元就職を後押しし経済活性化につなげていきたい方針です。
IT企業を中心に見学し仕事へのイメージを持ってもらう取り組みを実施
今回、札幌市と北海道銀行が連携して実施する地元就職支援内容として、市内にある大学生を対象にIT企業をめぐり、実際に働くイメージを持ってもらうことで、就職活動を行う際に地元での就職を支援します。
21日に札幌市と北海道銀行が行った企画では、北海道科学大学の学生20人を対象に市内にあるIT企業4者を巡る工程を実施しました。1社目として訪れたのが、2016年1月22日の記事で紹介した企業である「初音ミク」を産んだ「クリプトン・フューチャー・メディア株式会社」です。同社はヤマハのVOCALOIDを採用した音声合成ソフトを開発しており、初音ミクを産んだ企業として知られています。
札幌市は、IT産業の振興に力を入れており、市内に多くのIT企業が立地していることから、IT産業の集積地としての地位を固めつつあります。今回の地元就職支援ではあIT系を中心に、就職支援を進めていきます。
首都圏でも「UIターン」を後押し。「札幌UIターン就職センター」を開設!
首都圏でも道内出身者を対象にUIターン就職の後押しをする取り組みを行います。
2016年4月に東京大手町に「札幌UIターン就職センター」を開設しました。同センターでは、就職を間近に控えた道内出身者の学生に対して、道内企業との引き合わせを行うことに注力します。
また、センターの開設以外にも、2016年7月に東京と神奈川にキャンパスを持っている「専修大学」と協定を組んで、学生に道内企業の企業情報を提供を行います。
就職センターは2016年9月末の時点では、首都圏にキャンパスがある大学生が55人、社会人は66人の合計21人が参加しており、合計で121人が登録しています。また、札幌市内に本社や拠点を設けている企業で、首都圏にも進出する企業も160社程登録しています。
若者の7割が北海道から本州などへ転出超過傾向に
若者が北海道から転出し、首都圏などで就職する動きが加速しています。2016年10月22日の日本経済新聞北海道地域版によると、北海道外の転出入は3678人の転出超過となっていう状況とのことで、特に、20~29歳は2935人と7割をしめているのが現状です。
仕事を求めて、首都圏へ転出する傾向が増えています。このまま、若者が道外へ転出するとなれば、北海道の経済縮小を加速させることにつながってしまうことから。できるだけ転出を食い止める施策が急務となってきそうです。