HOME > > 札幌市が2026年の冬季五輪の誘致に向けたITを活用した実証実験をスタート
札幌市が2026年の冬季五輪の誘致に向けたITを活用した実証実験をスタート2017.02.21(火)

札幌市は、民間企業と協力して、2026年の冬季五輪の誘致に向けてITを活用した実証実験を行います。

今回の実証実験では、五輪という国際イベントということもあり、訪日客がさらに増えることが予想される中、訪日客にとって安心して観光を楽しむための活用方法に加え、観光施策の検討に活用し経済活性化を後押しすることが目的です。

2017年冬季アジア札幌大会に合わせることでノウハウを取得

今回、札幌市が実施するITを活用した実証実験は、主に、訪日外国人が来道することを想定し、ITを活用した観光ガイドの発信や小売店での購買情報からマーケティングに活用するなど、ITを使って訪日客にとって利便性を高める他、小売店などの購買頻度を高めることで道内経済の活性化を後押しします。

今回の実証実験は、2017年2月19日より始まった「2017年冬季アジア札幌大会」に合わせて行われ、当大会に合わせることで、訪日客が多く訪れる国際イベントでノウハウを取得し、2026年の五輪誘致に向けて取り組みを加速していきます。

NTTグループと提携し訪日客の周遊情報を分析


札幌の観光地として人気が高いさっぽろテレビ塔(札幌市中央区:筆者撮影)

札幌市では、通信大手のNTTグループと提携して、訪日客の周遊状況や滞在状況などのデータを取得して分析する事業を行います。

札幌市内の観光地に無料で利用できる無線LANスポットを設置することで、訪日客が持参したスマートフォンやタブレット端末から無線LANに接続してもらい、観光情報などを発信します。

観光情報を発信するのと同時に、その通信記録をNTT側で取得して、ビッグデータとして訪日客の周遊状況や滞在状況を分析し、観光地としての魅力向上やサービス向上に役立てます。

小売店で購買情報を集めマーケティングに活用する

札幌市では市内にある百貨店「札幌丸井三越」や「札幌パルコ」と協力して、訪日客の購買情報を集めることで、マーケティングに活用する取り組みを始めます。

訪日客が増えることで、観光地の周遊以外にも小売店での購買活動が増えることから、小売業にとっても大きな商機となります。そのため、訪日客が購入した商品の情報をデータとして集めることで、国や年齢別にデータを分析することで、訪日客の特徴に見合った商品の取り扱いやサービス提供が可能になります。

また、札幌のまちづくり事業を行っている「札幌大通まちづくり」と「ノーザンクロス」の2社は、市内の道産食品や雑貨を取り扱う店舗を期間限定で開店し、訪日客が手元のスマートフォンにインストールした専用アプリを活用し、店頭の陳列棚に専用アプリをインストールしたスマートフォンをかざすだけで、外国語の商品情報ページにアクセスできる実験を行っています。

海外で商品を購入する際、何となく気になっているものの、母国語以外で商品名や特徴などが記載されているため、買いづらく結局購入を止めてしまうなどで、売上のチャンスを逃してしまうケースも多いと考えられることから、外国語サイトに誘導することで、購買頻度が高まることに期待できそうです。

関連記事