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厚沢部町で仮想通貨を活用した配車サービス「ISOUプロジェクト」の実証実験を実施!2019.08.27(火)

北海道厚沢部町で仮想通貨を活用した配車サービスの実証実験「ISOUプロジェクト」がスタートしました。公共交通機関が少ない同町において住民が移動しやすい街づくりを目指すべく、情報システム開発を行っているインディール(札幌市)とTIS(東京都新宿区)と連携して電気自動車(EV)を2台活用して実証実験を行います。

ISOUプロジェクトで移動しやすい街づくりと地域経済の活性化を目指す

厚沢部町において、ISOUプロジェクトを始動した背景としては、公共交通機関が大変少なく移動が困難な地域が多いといった課題があることに加え、地域経済をもっと活性化していきたいという思いによるものです。

近年では少子高齢化などで地方の人口が減少していることや、マイカーの台頭などにより、公共交通機関を利用する方が減少するなどで、交通事業者の経営が厳しくなり、廃止などを余儀なくされるケースも後を立ちません。そのため、高齢者が自ら自動車を運転せざる得ない状況でもあることから、判断力の衰えなどで高齢者事故も増加している課題も浮上しています。

同時に、少子高齢化による人口減少で、地域経済へも悪影響を及ぼしており、商店の閉店が相次ぐなど、買い物をする場所も少なくなってきているのも現状です。

スマホや電話で配車依頼が可能

今回実施するISOUプロジェクトにおける配車の実証実験では、電気自動車(EV)を実験用に2台用意し、町民がミニバス感覚で利用できるサービスとして提供します。

移動したい場合は、手持ちのスマートフォンの専用アプリを通じて配車依頼が可能な他、スマートフォンを持っていない高齢者にも配慮して、固定電話などからの電話による配車依頼も可能となります。

今回のプロジェクトは人が運転する従来型の車であり自動運転ではありませんが、ICTを活用することで、今後注目される交通プラットフォーム(MaaS)としての基盤を構築し、自動運転などサービスの高度化も視野に入れていくものと考えられます。

運賃は地域仮想通貨「ISOUコイン」で支払い

配車を依頼して利用した場合における運賃については、ISOUコインと呼ばれる厚沢部町限定の地域仮想通貨で支払いを行います。

ISOUコインは、手持ちのスマートフォンで専用アプリを通じて利用できる他、専用カードを別途用意することで決済に利用することができます。

コインへのチャージは、町役場や町内の病院、商店で無償でチャージして利用することができます。そのため、地域の公共施設や商店を利用するきっかけにもなり、この実証実験を通じて購買活動につなげ地域経済の活性化にもつなげていきます。

ただし、ISOUコインは日本円などへの換金はできません。町内の配車サービスのみでの利用となるため、地域内でお金が循環する仕組みとなっています。

ISOUプロジェクトの実証実験の実施期間は2019年8月19日から30日までで、ここで得られたノウハウを厚沢部町の他、他の自治体でも広げていく予定としています。

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