2018年度における、賃上げを実施する道内企業が増えているようです。連合北海道中間集計によると、今年の賃上げ率は平均2.20%で、全国の平均賃上げ率に比べ0.1ポイント上回るとのことです。
人手不足が深刻となるなか、賃上げを実施して人手を確保する動きが相次いでいることが伺えます。
2018年度の平均賃上げ額は5813円
連合北海道の中間集計によると、2018年度における道内企業の平均賃上げ額は5813円で、前年度に比べ535円高くなっているとのことです。
今回の賃上げは、2018年4月19日時点において245の登録組合のうち、137組合で交渉が賃上げ交渉に妥結しており、定期昇給を含めた平均賃上げ率は2.20%になったとしています。今年の全国の平均賃上げ率は0.10%でとなっていますが、道ではそれを遥かに上回る賃上げを実施することとなります。
インバウンド需要による人手不足で小売業は賃上げが目立つ
今年の賃上げは、訪日外国人観光客などのインバウンド需要によって人手確保が課題となっている小売業は、賃上げを実施する企業が目立っています。
特に、小売業の場合は、訪日外国人観光客の増加により販売員などの店舗従業員が不足していることなどから、人員確保を急いでいる側面がありそうです。
ドラッグストアを展開しているサツドラホールディングスは、月額4,834円のベアで妥結し、昨年に比べて1,000円上回ったとしています。また、百貨店の札幌丸井三越は3年ぶりにベアを実施し、月額2,000円で妥結したとしています。
景気回復に合わせて製造業も賃上げ
景気回復に合わせて製造業でも賃上げを実施する企業が増えています。
日本製鋼所根室製作所では、3年ぶりに賃上げを実施することを明らかにしています。景気回復により設備投資が増える中、鉄などの原材料の需要が増えており、生産体制を確保するためにも人手不足の状況となっていることから、賃上げを行うことで人材を長期的に確保していく狙いです。
道内企業の96%が賃上げを実施
人手不足と景気回復により、2018年度は大幅な賃上げを実施する企業もある中で、北海道財務局の調査によると、2018年度において道内企業の96%が正社員の賃上げを実施するとしています。
昨年に比べて、賃上げに踏み切る道内企業は5ポイント上昇しており、特に、道では少子高齢化による人口減少などから人手不足による賃上げ実施が強い傾向があるようです。
ただ、賃上げの実施は大企業が56%何に対し、中小企業はたったの17%にとどまっており、将来的な事業継続と人材確保の両立が難しくなっていく可能性も考えられそうです。