北海道経済産業局は2017年4月17日に管内経済概況を発表し、北海道の景気状況として「持ち直している」とし、景気が回復に向かっていることを明らかにしました。
特に「生産活動」と「住宅建設」が新たに上方修正されたことで、北海道全体として景気判断を押し上げた形となりました。
北海道総括判断は2017年2月より上方修正へ
北海道全体の景気状況である「総括判断」は、2017年2月時点での判断は「穏やかに持ち直している」としていましたが、今回の4月度の判断では「持ち直している」とし、上方修正した形となりました。
全体としては「生産活動」と「住宅建設」の経済概況判断が上方修正されたことから、総括判断にプラスになりました。
2017年2月時点での全国的には、「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、穏やかな回復基調が続いている」としており、2016年から国際経済の動向などの影響でやや足踏みをした状態が続いているものの、国内における景気は引き続き回復傾向を維持していくと考えられます。
台風の復興需要や低金利などが影響し「生産活動」と「住宅建設」が持ち直す
管内経済概況判断を「生産活動」、「個人消費」「観光」「公共工事」「住宅建設」「民間設備投資」「雇用動向」「企業倒産」の8つに分類して見てみると、「生産活動」と「住宅建設」がそれぞれ「持ち直しの動きが見られる」と「持ち直している」に上方修正されています。
生産活動に関しては、2017年2月の鉱工業生産は+3.3%上昇しており、新製品の量産が増えたことや情報機器の生産が増えた事に加え、2016年夏に発生した大型台風の復興需要などから公共工事が増えたことや低金利でマンションなどの不動産開発などが増加していることでコンクリートの生産が増加したことが背景としてありそうです。
住宅建設は、2016年2月に日銀が実施したマイナス金利政策などで低金利による住宅購入が増加したことや相続税対策でアパート建設が増えたことなどが背景としてありそうです。ただ、アパート建設については供給過剰が指摘されており、今後の動向は注視する必要がありそうです。
個人消費と雇用はそれぞれ「持ち直している」、「改善している」で据え置き
一方、一般消費者として一番気になる個人消費と雇用については、それぞれ「持ち直している」、「改善している」を据え置いた形となっています。
個人消費については、全国的に伸び悩みが見られる声が聞かれるものの、百貨店やドラッグストアでは、外国人観光客の増加やさっぽろ雪まつりなどイベントが続いたことで、免税品の売上が好調だったことや、スーパーマーケットでは飲食料品が堅調だったとしています。
雇用については、2017年2月時点での北海道における有効求人倍率は1.06倍となっており、前月より0.07ポイント上昇しています。一方で、全国の有効求人倍率は現在では1.43倍で、景気回復や少子高齢化などで働き手が不足している状況となっており、北海道のみならず全国的に雇用は改善傾向にあると考えられます。