平成27年6月に公職選挙法が改正され、第24回参議院議員選挙日の公示日である今年6月22日から選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。
これからの日本を生きていく10代の意見も政治に反映されていくことになり、7月10日投開票の参院選でも大きな盛り上がりを見せています。道内においても、若者の意見を取り入れる動きが進んでいます。
無視することができない若者の意見
住民基本台帳に基づく人口集計によると、北海道に住む日本人の数は平成28年1月1日現在で537万6211人となっています。このうち、15歳から19歳の年齢区分だと23万6839人ですので、今回新しく選挙権が付与された18歳・19歳の人口は9万人前後と推計されます。
9万人というと少ないイメージを持たれそうですが、候補者間で接戦となった平成16年参院選北海道選挙区では当選者と落選者の票差が6万票余りであることをを考えると、選挙情勢をひっくり返すほどの価値を持った人数とも言えます。特に、今年の参院選から北海道選挙区の改選定員が1人増加することもあって、18歳・19歳の一票が選挙結果を変えていくこともあるのではないかとも予想されます。
10代のうちから町の未来を考える
北海道新幹線に直通するE5系(東京都千代田区:筆者撮影)
中長期的なインフラ整備、制度改革の場合、計画が決定されてから実現するまでに長い年月が必要になります。その際に町の主役になっていくのは、現在の18歳・19歳といった若者層です。
例えば、北海道新幹線の札幌までの延伸・開業の目標年度は2035年度となっていますが、現在の18歳・19歳はそのとき37歳・38歳になっています。まさに仕事・子育てと第一線で活躍している年代ですので、10代のうちから町の未来を考えていくのが重要と言えます。
3月に北海道新幹線が開業して観光産業を中心に好況に沸く道南・函館地域ですが、ここも2035年度の札幌延伸に備えて、単なる通過駅とならないような取り組みが必要となってくるでしょう。そのときに参考となるのが若者の声であることは間違いありません。
第1回はこだて学生政策アイデアコンテストの開催が決まる
函館市内全景(北海道函館市:筆者撮影)
函館市では経済人が中心となって、学生から政策提言やアイディアを求める「第1回はこだて学生政策アイデアコンテスト」の開催を決定しました。
函館市内外の学生を対象にして、函館市及び道南地域の現状と課題について分析し、解決策となるような政策アイデアを募集していくとのことであり、分析にあたってはRESASの活用も推奨しています。募集期間は9月26日から10月11日であり、最優秀グランプリには報奨金10万円が贈られるとのことです。地域の未来を創っていくために、若者からも積極的に政策提案が行われていくことを期待します。