北海道旅客鉄道(JR北海道)は、2017年7月12日に新型の電気式気動車「H100形」の試作車をリリースしました。道内のローカル線を中心に活躍している「キハ40形」の老朽化が進んでいることから、その置き換えを目的に2019年移行量産を行い営業運転を目指します。
「H100形」はJR東日本新型車両GV-E400系をベースに開発
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/170712-2.pdf
今回、JR北海道が開発した新型電気式気動車は、JR東日本が開発した電気式気動車「GV-E400系」をベースに開発されました。
JR東日本「GV-E400系」は、新潟・秋田地区へ導入予定の新型車両で、新潟地区に2019年に秋田地区に2020年を目処に営業運転を目指して準備が進められています。
H100形は、北海道では初となる電気式気動車となり、「Diesel Electric Car with MOtors(モーターで走行する電気式気動車)」の文字から「DECMO(デクモ)」という愛称が付けられました。GV-E400系に極寒対策など北海道の気候に合わせてカスタマイズを行っています。
2018年2月に試作車(量産先行車)2両の落成を予定しており、2019年を目処に旅客を乗せて営業運転を行う予定です。
車齢30年の「キハ40系」計166両を順次置き換え
JR北海道が所有する車齢30年の「キハ40系」166両を2019年の営業運転を機に順次置き換えていく予定です。
車両の量産は、2018年2月に落成を予定している試作車で走行試験をなどを検証した上で、営業運転を開始を予定している2019年より行われます。
キハ40系は、リリースされてから30年を経過しており、国鉄時代はローカル線の主力車両として日本各地で活躍していましたが、老朽化が激しく既に一部の車両部品が生産中止されていることから、メンテナンスや保守に多額のコストが重荷になっており、JR他社でも順次新型車両や代替車両に置き換える動きが相次いでいます。
電気式気動車はディーゼルエンジンの動力で発電したモーターで走行する列車
今回開発される電気式気動車H100形は、ディーゼルエンジンの動力で発電した電気を使いモーターを動かすことで列車を走行を行います。
キハ40系は、ディーゼルエンジンを駆動することにより走行するもので、排出ガスによる地球環境への影響や電気で走行する一般的な電車とは異なり、構造が複雑であることや機器の故障がしやすいなどメンテナンスと保守に多くの手間とコストが発生していました。
今回、ディーゼルエンジンは電気の発電のみに使われることから、従来の気動車に比べ排出ガスが大幅に削減され地球環境にも優しいことや、電車と同様の機器が採用できるなどメンテナンスや保守などにかかわるコストや手間を削減できるメリットがあります。