釧路市は飲食店などで提供される料理をインターネットを通じて各家庭に宅配するサービスの展開を年内に開始することを明らかにしました。少子高齢化などから高齢世帯の増加や共働きが一般的となったことから、日常の買い物が難しくなる方が増えることから、料理の宅配ニーズはますます増加すると言えます。
インターネット宅配モール「家宅釧路」を年内に開始
今回、釧路市が展開予定のインターネット料理宅配サービスは「家宅釧路」を年内に開始する予定です。当サービスの展開にあたり、釧路市の他、釧路市で居酒屋を展開している「株式会社いとう」が主体となり、注文サイトを構築し加盟店を募る方針です。
加盟店はサービス開始当初は、同社の飲食店を中心に5店舗が加盟する方針ですが、1年後を目安に市内の飲食店を中心に30~50店の加盟を目指すとしています。
家宅釧路への加盟に係る費用は不要で、加盟から3ヶ月以降売上高に応じて一定の手数料を徴収する方針です。
ウーバーイーツ同様に宅配スタッフの空いた時間を有効活用可能
家宅釧路を通じて、各家庭に宅配を行う際は、一般的なデリバリーサービスとは異なり、飲食店のスタッフが宅配を行うのではなく、宅配スタッフは同サービスに登録した宅配スタッフに外注して行うことで、飲食店における人件費の抑制につなげます。
登録する宅配スタッフは、自身が空いた時間のみ宅配の仕事を引き受けることができるなど、時間の有効活用が可能です。このシステムは、米国の配車アプリ「ウーバーテクノロジーズ」が提供している「ウーバーイーツ」と同様の仕組みとなっています。
共働きや高齢化などで料理宅配のニーズは増加
北海道の高齢者人口の推移と予想(北海道のホームページより筆者作成)
北海道では、少子高齢化が加速していることから、今後もさらに高齢者の人口が増えることが予想されることに加え、生産年齢人口が減少することから、人手不足などから、共働き家庭が増えることが予想されます。これに伴い、日常的に買い物に行くことが困難な方が増えることから料理の宅配ニーズは拡大していくものと予想されます。
2016年8月20日に紹介したコープさっぽろでは、買い物困難な高齢者向けに宅配サービスの需要拡大により生産工場の拡大を行います。また、オイシックス子会社の「とくし丸」は、全国各地の地方のスーパーマーケットと連携して過疎地などに軽トラックで食材などを販売する移動スーパーを展開をはじめています。「セブンイレブン」や「ローソン」、「ファミリーマート」など大手コンビニにおいても、過疎地に出向く移動スーパーの展開を強化しています。