千歳市は企業立地を積極的に推進しており、工業団地等の整備を進めています。2014年は6社、2015年は1月から6月の半年だけで4社が新規に千歳市内に事業所を構えました。進出企業は、機械類製造、食品加工、物流からエネルギーと非常に多彩な顔ぶれとなっており、千歳市の活力強化につながっていきそうです。
技術力のある機械類製造業
2014年3月に進出した株式会社FJコンポジットは携帯電話の基地局に使われる半導体放熱材、燃料電池用セパレータなどの製造販売を行う企業です。
静岡県富士市から千歳オフィス・アルカディアに本社と生産拠点を移転しました。異種材料の複合化について高い技術を有した企業であり、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業の採択実績もあるところです。
2015年2月に進出した不二電子工業株式会社は世界トップレベルの製造技術を持つ部品製造会社です。千歳市泉沢に新たに構えた生産拠点では、プラスチック成型による自動車部品製造を行っていきます。
地域密着型の食品加工業
2014年5月に進出した株式会社ボンタイム北海道は愛知県豊橋市の斎藤製菓株式会社による新規設立会社であり、千歳市上長都で操業開始しています。
道内産原料でお菓子を製造しており、看板商品である「北ると すいーとぽてと」が早くも北のブランド2015に認証されています。「北ると すいーとぽてと」は小麦・砂糖・生クリームが100%北海道産とのことであり、道内一次産業の活性化にも一役買いそうです。
国内有数の物流会社が次々と進出
2014年7月にセイノースーパーエクスプレス株式会社(本社:東京都江東区)、2014年11月にはグリーンロジスティクス株式会社(本社:滋賀県東近江市)、2015年5月にはヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)と次々と国内有数の物流会社が進出しています。北海道の物流を支える拠点として千歳市の存在感が高まりそうです。
2メガワット規模の大規模ソーラー発電
2014年11月に進出したエネワンソーラーパーク千歳共同事業体は、株式会社いちたかガスワン(本社:北海道札幌市)、株式会社サイサン(本社:埼玉県さいたま市)、森和エナジー株式会社(本社:東京都千代田区)の3社による共同事業体です。千歳市内で太陽光による発電事業を行う予定であり、出力は約2メガワット、一般家庭600世帯分相当の2200万キロワット時の年間発電量を見込んでいます。
千歳市に企業が集まる理由とは
千歳市は新千歳空港を擁するだけではなく、札幌市内まで快速電車で30分、苫小牧空港も車で30分と陸・海・空にわたってアクセスが良く、物流拠点として適した土地柄です。また、気候にも恵まれており、道内でも積雪が比較的少ない地域となっています。天災による操業停止リスクが低いとも言え、リスク分散の観点から千歳市への立地も進んでいるところです。
工業用水、電気、ガスといった産業インフラが充実していることもあり、「最良の工業適地」と呼ばれています。円安による製造業の国内回帰が進む中で、千歳市をはじめとした北海道のポテンシャルが再評価される日も近いでしょう。